フルジルコニアクラウンのデメリット

このブログで何度かフルジルコニアクラウンについて書いてきました。

フルジルコニアクラウンについての過去のブログは↓

フルジルコニアの進化 https://www.sasayama-dc.com/blog/2404/

前歯のフルジルコニア審美治療 https://www.sasayama-dc.com/blog/2478/


今回はフルジルコニアクラウンのデメリットについてです。

まずは、一般的にいわれているフルジルコニアクラウンのメリットとデメリットを挙げてみます。

メリット

①セラミックよりも硬いので、欠けたり割れたりしにくい

②歯垢がつきにくく、虫歯や歯周病に強い

③金属アレルギーにならない

④見た目が歯の色に近い

デメリット

①硬すぎて咬みあわせる相手側の歯を傷める可能性がある

②セラミックと比べて白さが不自然

メリットについては上記の通りだと考えます。


それではデメリットについて解説しますね。

まず①の「硬すぎて咬みあわせる相手側の歯を傷める可能性がある」ですが

これは咬みあわせの調整方法や、ジルコニアの表面を滑沢に研磨することで防げることが研究により分かっています。

次に②の「セラミックと比べて白さが不自然」

フルジルコニアの材質は1種類ではありません。比較的硬い物から、相当硬い物まで何種類かあります。

当院ではケースによって、3種類の硬さのフルジルコニアを使い分けています。

硬さが少なめのフルジルコニアを選ぶと、歯の色を自然に近くできます。

熟練した歯科技工士が作ったセラミックには及びませんが、一般的なセラミックに色調に近いレベルまで再現できますので、自然な色調再現を求められる前歯にも適応します。

前歯のフルジルコニア審美治療の記事↓

https://www.sasayama-dc.com/blog/2478/

ちなみに硬さが少なめといっても、通常のセラミックの約8倍の硬さがあります。

逆に、硬いフルジルコニアの色調はやや不自然となります。

この硬いフルジルコニアは、見た目をそこまで追求しないけれど、金属の歯を入れたくない奥歯に用います。特に歯ぎしりや咬みあわせが強くて、従来のセラミックでは割れたり、欠けてしまう方に適応することが多いです。硬さは通常のセラミックの約15倍あります。

初期の頃は良く使っていましたが、最近はここまで硬くなくても良いのではないかということで、もう少し色調再現性が高く、硬さも約9倍のフルジルコニアを用いることが多くなっています。

当院ではセラミックやフルジルコニアについては、歯の状態に合わせて硬さと色調再現性のバランスを考慮して選択しご提案しています。


*2018年12月追記

この記事はアクセス数が多く、関心をもたれている方が多いようですので、その後のことを追記します。

その後、多くのフルジルコニアクラウンをセットしましたが、1例も割れていません。

ただ、ダツリ(外れてしまうこと)は数ケースありました。

そもそもフルジルコニアは、歯ぎしりなどの習癖がある方に適応させるので、歯ぎしりによってジルコニアを接着しているセメント層が破壊される場合があるのです。

対策として改めて接着の方法をアップデートし、チェアサイドにサンドブラスターを導入し更なる接着力の向上を計る事で対応しています。

 

 

 

デメリット