昭和世代が虫歯になりやすい本当の理由 

昭和世代の患者さんとお話ししていると、

「昔から歯が弱くて、苦労しています。」

とおっしゃる方が多いです。

ご自身の歯が弱い理由としておっしゃるのが、

「甘い物ばかり食べていたから。」

「歯を1日3回も磨く習慣が無かったから。」

「歯医者で検診なんて無かった時代だから。」

という理由をあげられる方が多いです。

これらも確かに虫歯になる原因ではあるのですが、

本当の理由はそこにないといわれています。

昭和世代の方が虫歯になりやすい本当の理由としてあげられているのが、

歯磨き粉にフッ素が入っていない時代に子供時代を過ごした。

です。

ご存知のように、フッ素は虫歯予防に強力に作用します。

しかし1980年代までは、ほとんどの歯磨き粉にフッ素は入っていませんでした。

1990年代半ばになって、ようやく50%の歯磨き粉にフッ素が含まれるようになり、2000年代の現代では、特殊な歯磨き粉を除いて、ほぼ全ての歯磨き粉にフッ素が入っています。

こちらの図をご覧ください↓

*ライオン歯科衛生研究所HPより引用

1985年から2015年の30年間で12歳の子供の虫歯の本数は4分の1にまで激減しています。

私も毎年、保育園の歯科検診に行っていますが、虫歯がある子はほとんどいません。

乳歯、永久歯に限らず、歯は生えてからの数年は表面のエナメル質が未成熟でとても虫歯になりやすいです。

食べ物や水、お茶などに微量のフッ素が含まれているのですが、そのフッ素を日々の食事で歯に取り込みながら、エナメル質はゆっくりと成熟して硬くなります。

しかし、生えたばかりの歯をフッ素入りの歯磨き粉で磨いていると、エナメル質を早く硬くして、強化することができます。

昭和世代の方は、幼少期にフッ素入り歯磨き粉が普及していなかったため、エナメル質が自然に成熟する前に虫歯になってしまう人が多かったのです。

一度治療した歯は、詰め物や被せ物が古くなったり、隙間から虫歯になったりで、治療を繰り返すことになり、何度も治療しているうちに、歯が弱くなり、抜歯になる可能性が高くなります。

ですので、子どもにうちに生えてくる歯を歯磨き粉のフッ素で強くして、虫歯になりにくくすることは、とても重要なことなんです。

それでは、昭和世代の歯の弱さはもうどうしようもないのかといいますと、そうではありません。

フッ素入りの歯磨き粉を上手に活用することで虫歯は予防出来ます!

こちらを参考にどうぞ↓

フッ素入り歯磨き粉の効果的な使い方

すぐ効果の出る虫歯予防法

当院は先代から通い続けている昭和世代の患者さんがたくさんいらっしゃいますが、フッ素入りの歯磨き粉を効果的に使うことによって、虫歯が激減した患者さんが多くいらっしゃいます。

皆さまも是非効果的に虫歯を予防してください。

以上「昭和世代が虫歯になりやすい本当の理由 」でした。

皆さまのお口の健康の参考になれば幸いです。

宝塚市の歯医者 笹山歯科医院

真面目に通っているのに歯が悪くなる。

「真面目にやっている者が馬鹿を見るんだよ!」

私の尊敬する中学時代の部活の顧問の先生の言葉です。

練習の力を抜いたり、部活に遅刻したり、来なかったりした部員に対して言っていました。

歯医者さんには、歯が相当悪い状態でお越しになる患者さんがいらっしゃいます。

歯が悪いというのは、虫歯や歯周病で歯が弱っていたり、抜けてしまった歯が何本もある方です。

そういう方には2パターンあります。

1つは、歯が悪いことは分かっているんだけど、歯医者に行くのが面倒で歯が悪くなってしまった人。

もう1つは、歯が弱いのを自覚していて、自分なりに歯磨きを頑張って、歯の定期検診も継続して受けているのに、歯が悪くなってしまった人です。

今回は後者の人についてお話しします。

患者さんのお話をお聞きして、お口を拝見した後に、お口全体の状態だったり、歯が悪くなった原因や、予防方法について色々お話しすると、

「そんな話は今まで聞いたことがなかったです。」

と言われる場合が結構あります。

こういった場合、正直に言いますと怒りがこみ上げてきます。

歯医者に行くのが面倒で行かなくて、歯がボロボロになってしまうのは、自己責任とも言えます。

しかし、定期的に検診を受けていて、歯医者さんにかかっているのに、病気に対する説明やその予防方法について説明を受けていない人もいらっしゃるのです。

歯医者さんも様々ですが、基本的には悪くなったところを治療するだけでなく、どうしたら悪くならないかを患者さんに知ってもらう必要があります。

それは保険診療をおこなう歯科医院は、厚生労働省から「患者さんが健康になれるように、治療だけでなく、予防もしっかりやってくださいね。」という指示の下で保険診療をおこなっているからです。

予防をしないと、治しても、治しても、段々歯は悪くなってしまいます。

失ってしまった歯を元通りにすることは出来ません。

以前に「転院したほうがいいかもしれない歯医者。」というブログを書いて、たくさんの方に読んでいただきました。

転院したほうがいいかもしれない歯医者

定期検診を受けているのに歯が悪くなる理由

転院の話。治療の途中からでも診察OKです。

治療やクリーニングなど、作業的なことだけでなく、予防についても、きちんと説明してくれる歯医者さんを選んでいただきたいです。

今年、当院は厚生労働省に

口腔管理体制強化加算(口管強)

という施設の申請をおこない、承認されました。

長くて分かりにくい言葉ですが、

0歳児から高齢者の方まで、歯が健康でいられるように、予防を中心とした医療を展開する歯科医院の施設基準です。

承認されるため満たさなければならない項目がいくつもあり、去年1年間をかけて、申請の準備をおこない、今年晴れて認可が降りました。

全国に68000軒以上の歯科医院がありますが、この施設基準を満たしているのは、20%程度といわれています。

医院ブログのメインタイトルの通り、歯を大切に思って頂けるような歯科医院を目指してこれからも一生懸命頑張ります。

今日のタイトルのように真面目に通っているのに、自分なりに頑張っているのに、歯が悪くなっていく方、そういう方が報われるような歯医者を目指しています。

以上「真面目に通っているのに歯が悪くなる。 」でした。

皆さまのお口の健康の参考になれば幸いです。

宝塚市の歯医者 笹山歯科医院

虫歯と歯周病予防には、これが効果的です。

お口の中で虫歯や歯周病に一番なりやすい部分をご存じですか?

それは、

歯と歯の間です。

歯と歯の間は、歯の噛む面や歯の付け根などと比べて、2・5倍以上虫歯や歯周病になるリスクがあります。

普段の歯磨きで歯間ブラシや糸ようじを使っている方もいらっしゃると思いますが、今回ご紹介する方法を知ることで、もっと予防効果を高めることが出来ます。

ちなみに皆さんは、歯ブラシで歯磨きする時に1か所を何回磨かれますか?

理想的には歯ブラシを小刻みに動かして10回ほど往復してから、次の場所に歯ブラシを移動するのが良いといわれています。

では、歯間ブラシを歯と歯の間を入れた時に何回往復していますでしょうか?

おそらく2~3回だと思います。

歯間ケアの誤解で良くあるのが、歯と歯の間に詰まってものを取り除くだけが目的と思われていることです。

もちろんに歯と歯の間につまった物を取り除くのも、1つの目的ではありますが、もっと大事なことがあります。

それは、

歯の横の面を磨く。

ということです。

歯の横の面も歯ですから、しっかりと磨く必要があるのですが、歯ブラシでは届かないので磨けません。

ですので、歯と歯の間を磨けるように、歯と歯の間の歯を磨ける歯ブラシとして作られたのが、歯間ブラシなんです。

私は患者さんのこのことを説明するのに、歯が取り外し出来る説明用の模型を使って説明します。

歯を取り外して、歯の横の面をお見せして、「この面も普段磨いている歯の噛む面や外側や内側と全く同じ歯です。」とお伝えします。

そうすると、患者さんは

「確かにそうですね。」と納得されます。

歯間ブラシが歯と歯の間を磨く歯ブラシだとすれば、歯磨き粉を付けたほうが、汚れは落ちますね。

患者さんで「歯と歯の間の入り口付近の黄ばみが気になります。」と言われる方がいるのですが、それはそこに歯ブラシによる歯磨き粉が当たっていないので、ステイン(着色)が蓄積している可能性があります。

普段から歯間ブラシに歯磨き粉を付けていいれば、その黄ばみはつきにくくなります。

また、歯間ブラシを動かす回数としては、歯ブラシと同じ10回とはいいませんんが、

5~6回以上は、

出し入れしたほうが、汚れも落ちやすくなります。

こちらも参考にどうぞ↓

歯間ブラシとフロスは両方やった方がいいんですか?

 

歯と歯の間の虫歯は気づくまで時間がかかる

 

もう1つ歯間ブラシを効果的に使えていない方の特徴があります。

それはまたの機会にお伝えします。

以上「虫歯と歯周病予防には、これが効果的です。」でした。

皆さまのお口の健康の参考になれば幸いです。

宝塚市の歯医者 笹山歯科医院

虫歯を強力に予防する歯磨き剤

虫歯を強力に予防する歯磨き剤のご紹介です。

チェックアップルートケアというライオンから販売されている歯磨き剤ですが、今回リニューアルされて虫歯予防効果がアップしました。

日本の歯磨き粉に含んでよいフッ素の濃度の上限は1450ppmですが、ルートケアは上限の1450ppmまで入っているだけでなく、歯の表面に残るフッ素滞留量も3倍になったとのことです。

虫歯予防効果がアップしたチェックアップルートケア↓

 

虫歯予防効果だけでなく、知覚過敏を防ぐ成分や、歯肉炎を予防する殺菌成分も入っていますので、歯周病予防にも効果があります。

1点だけ注意事項があります。こちらは歯磨き粉ではなく、歯磨きジェルなので、研磨剤が一切入っていません。

研磨剤は日常の飲食による歯の着色を防ぐ効果があります。

コーヒーや紅茶、濃い色のお茶などをよく飲まれる方は、研磨剤が入っていないジェルだけを使っていると、歯に着色が溜まってしまいます。

その場合は、1日3回磨くなら1回は通常の歯磨き粉を使って下さい。

姉妹品のチェックアップスタンダードですと、低研磨剤ですので、歯に傷がつくこともほぼありません。

歯磨き粉であるチェックアップスタンダード↓

画像 / Check-Up standard チェックアップ スタンダード

 

歯ぐきが痩せて、歯の根が出ている人が研磨剤の強い歯磨き粉を使うと、歯の根がけずれてしまう恐れがあります。

そういった方にも、チェックアップルートケアをお勧めします。

当院ではチェックアップスタンダード、チェックアップルートケア共に取り扱いがありますので、気になる方は気軽にご相談ください。

こちらも参考にどうぞ↓

すぐ効果の出る虫歯予防法

 

ルートケアについて、更に詳しく知りたい方はライオン公式YouTube動画も参考にどうぞ↓ *音量注意

以上「虫歯を強力に予防する歯磨き剤」でした。

皆さまのお口の健康の参考になれば幸いです。

宝塚市の歯医者 笹山歯科医院

歯ブラシの硬さについて 硬め、普通、柔らかめ

「歯ぐきが弱っているので、柔らかい歯ブラシでマッサージするように磨いています。」

と言う方がいらっしゃいます。

実際にその方のお口を拝見すると、たしかに歯周病ではありますが、柔らかい歯ブラシを使うほどではありません。

柔らかい歯ブラシを使う必要があるのは、

「歯ブラシが少し当たるだけでも痛い、すぐに血が出る。」という場合です。

こんな感じですね↓

見るからに歯ぐきが赤く腫れていて、ブヨブヨしているのが分かると思います。

このような状態で普通の硬さの歯ブラシで磨くと痛いですし、すぐに歯ぐきから血が出るだけでなく、歯ぐきを傷めてしまいます。

というよりも、この状態に普通の歯ブラシを使おうとしても痛くて磨けないと思います。

歯ぐきが腫れて痛くなる原因の多くは、プラーク(細菌の塊)の磨き残しです。

自分の歯周病菌を見たことがありますか? 位相差顕微鏡とは?

うがいをしても、指で歯ぐきをマッサージしても、原因であるプラーク(細菌の塊)を取らないと腫れは引きません。

ですので、先ほどの画像ように歯ぐきが腫れて血が出やすくなっている場合は、柔らかい歯ブラシで、優しく歯垢を落としてあげる必要があります。

話を元に戻します。

「歯ぐきが弱っているので、柔らかい歯ブラシでマッサージするように磨いています。」

と、おっしゃっている方の多くは、歯ぐきはそこまで腫れていません。

ご自身で「歳だから。」「歯ぐきもきっと弱っているから。」と、歯ぐきを傷めないために、柔らかい歯ブラシを使っていらっしゃるのです。

しかし、柔らかい歯ブラシのプラーク除去能力は、普通の硬さの歯ブラシと比べて劣ります。

たとえば、床にこびりついた汚れをモップで拭くのと、デッキブラシでこするのとでは、どちらがこびりついた汚れを落としやすいでしょう?

実際に歯ぐきが腫れていないのに、柔らかい歯ブラシを使っている方は、磨き残しが多くみられます。

「歯ぐきが腫れていないなら、柔らかくてもいいんじゃない?」

と思われるかもしれませんが、プラークが落ちていないと、虫歯になる可能性が上がります。

ですので、

「歯ブラシが当たると歯ぐきが痛い、すぐに血が出る。」

以外の方は、普通の硬さの歯ブラシで磨くことをお勧めします。

また、歯ぐきが腫れてはいないけど、普通の歯ブラシでは痛いという方は、歯ブラシの当てる角度や動かし方、当てる強さが適正でない可能性がありますので、かかりつけの歯医者さんでフォローしてもらうといいでしょう。

以上「歯ブラシの硬さについて 硬め、普通、柔らかめ」でした。

皆さまのお口の健康の参考になれば幸いです。

宝塚市の歯医者 笹山歯科医院