歯を失って初めて知ること

歯を失ってから知ることって意外と多いです。

歯を失った場合は、ブリッジや入れ歯、インプラントなどが主な治療方法です。

初めて知ることの

1つ目は、

失った歯を補うには時間がかかる。

です。

歯を抜いた後は、どのような治し方をするにしても、基本的に1~6か月は最終的な歯は入りません。

歯を抜いた傷が落ち着くのは数週間ですが、歯を補うまでに回復するには、数か月かかります。

その間に、仮歯や仮の入れ歯を作った場合は、見た目を補ったり、早く噛めるようになりますが、あくまで仮なので、強く噛むと壊れたり外れたりするので、心もとない状態です。

入れ歯が最も早く入りますが、入った後に入れ歯に慣れるまで、早い人で1か月、長いと半年から1年はかかります。

2つ目は、

歯を補うにはお金がかかる。

です。

通常1本の歯を失った場合の選択肢は、ブリッジかインプラントがほとんどで、入れ歯を選択される方はほぼいません。

保険のブリッジでも最低でも1万円近くしますし、自費でセラミックやジルコニアのブリッジにすると数十万円かかるが相場です、

日本のインプラント1本の平均治療費は40~60万円くらいかと思われます。

保険の入れ歯なら数千円で作れる場合もありますが、ここにちょっと注意が必要で、入れ歯は装具ですので、毎日のメンテナンスが必要になります。

歯磨きに加えて、入れ歯を洗ったり、洗浄剤につけるという行為が、この先の毎日の生活にルーティンとして追加されます。

また、入れ歯は、入れ歯洗浄剤で毎日洗浄しないと、雑菌が繁殖する可能性があります。

入れ歯洗浄剤は、3か月分で1000円くらいです。

年間に換算すると、4000円です。

そして、入れ歯はブリッジやインプラントと比べて、壊れやすいので、何年か後には、作り直す必要が出る可能性もあります。

3つ目は、

歯を補うことで、周りの歯に負担をかける可能性がある。

です。

これについては以前に書きましたので、こちらをご参照ください。

ブリッジ・入れ歯・インプラントどれがいい?

 

歯を一度も失ったことがない方が、歯を補う方法について考えることはほぼないと思いますので、失った途端に、急に色々な選択を迫られることになるのが普通です。

インプラントはブリッジや入れ歯と比べて、天然の歯のように何の違和感もなく、良く噛める治療方法ですが、残念ながら健康な天然の歯の丈夫さには及びません。

インプラントの成功率(何の問題も起きずに機能する率)は

10年間で70%

という論文があり、

 

健康な天然の歯が何の問題もなく残る可能性は、

50年間で99%

という論文があります。

つまり健康な天然の歯は、何物にも劣らない

唯一無二

なのです。

 

そのためには、天然の歯を出来るだけ削らない、抜かないために、予防にシフトすることが一番賢明な選択かと思います。

予防だけで年数回の検診とクリーニングで済めば、歯を削らずに済みますし、費用も少なく治まります。

検診は時間もかかりませんし、クリーニングが終われば、歯は白くなり、お口はさっぱりして、気持ちがいいです。

天然の歯を大切にしたいですね。

以上「歯を失って初めて知ること」でした。

皆様のお口の健康に参考になれば幸いです。

宝塚市の歯医者 笹山歯科医院

1回で治せる白い詰め物 *治療画像あり

歯を治療する時は、なるべく元通りに近い見た目で治したいですね。

白く治す治療で最もポピュラーな材料が

コンポジットレジン

という材料です。

平たくいうと、歯科用の樹脂、プラスチックです。

私も毎日の診療で使っているのですが、とても良い材料です。

虫歯を削った穴にペースト状のコンポジットレジンを埋めて、光を照射すると、固まります。

メリットは、

➀歯型を取らずに1回で直せること。

➁歯に近い色で直せること。

➂健康な歯をほとんど削らずに詰められること。

です。

デメリットは、

➀欠けたり、割れたりしやすい。

➁経年劣化で変色する。

➂耐久性が低いので、大きな範囲を埋めるのには向かない。

デメリット➂のように、大きな範囲でなく、小さな範囲を治しても、

後々剥がれてしまい、隙間から虫歯になることはあります。

 

以下の治療例をご覧ください。

「噛むと痛い。」と来院された患者さん。奥歯の後ろ側を、コンポジットレジンで直していますが、剥がれて、歯との境目に隙間が生じています。

 

コンポジットレジンの一部を剥がすと、歯の内部に虫歯が進行していました。

 

虫歯菌の酸により、溶けてボロボロになった象牙質が出てきます。

 

後ろに生えている歯の間も虫歯になっていました。よくあることです。

コンポジットレジンの問題は、その材質も剥がれたり、壊れる理由ではあるのですが、詰める時になるべく剥がれにくくする詰め方をすることが大事です。

 

術後。

細心の注意を払って、再度コンポジットレジンで治しました。

これで剥がれるようなら、コンポジットレジンより硬い金属やセラミックなどで治す必要があります。

コンポジットレジンを詰めるのに向かない場所(非適応)は、

噛む力が強くかかる部分です。

それは、

奥歯の噛む面の一部だったり、

前歯の先端などです。

特に前歯の先端は、詰めても非常に取れやすく、欠けやすいです。

奥歯の噛む面については、患者さん固有の噛む力や、残っている歯の量によって、適応であるか判断します。

また、詰める技術によっても、持ちは変わります。

コンポジットレジンは、適応を間違えず、詰め方を気を付ければ、

1回で治療が終わり、見た目が自然で、健康な歯を削らない。

という、とてもメリットの多い治療方法です。

コンポジットレジンを詰めても、

「すぐに取れる。」

「欠ける。」

お困りの方は、その歯が適応であるかを歯医者さんにお聞きするのもいいかもしれません。

以上「1回で治せる白い詰め物」でした。

皆様のお口の健康に参考になれば幸いです。

宝塚市の歯医者 笹山歯科医院

歯を傷つけないクリーニング

歯のクリーニングに使用される超音波スケーラー。

硬い歯石も難なく取れて、毎日の診療に欠かせない器具です。

しかし、その強さゆえにデメリットもあります。

歯や被せ物に細かい傷がつくことがあるのです。

もちろん、傷ついた後は研磨といって、歯をペーストをつけた電動ブラシで磨き上げることで、傷はなくなります。

コードレスモーター↓ 歯の表面を研磨する器具

n-iprophy

 

しかし、そもそも傷をつけずにクリーニングすることも出来ます。

それが

ソニックブラシ

です。↓

ソニックブラシはエアーの力で先端のブラシを振動させながら、歯をクリーニング出来る器具です。

最大の特徴は、

全く痛くない

ことです。

この先端の小さなブラシが振動して、水を出しながら、歯を綺麗にします。

 

小さな傷つきやすいセラミックや金属も問題なしです。矯正中のブラケットも外れにくく、隅々までクリーニングできます。

*下記画像は、(株)ナカニシHPより引用

  • 補綴修復物の清掃
  • 矯正ブラケット周囲の清掃

歯石など硬い物はとれませんが、歯垢はとてもきれいに落ちます。

凍みることもなく、痛みもなく、患者さんもストレスフリーです。

当院ではハンドスケーラー、超音波スケーラー、コードレスモーター、エアスケーラー、ソニックブラシを使い分けて、患者さんが快適にクリーニングを受けられるよう心がけています。

歯医者さんでのクリーニングを受けたいけれど、

「痛い、辛い、怖い、凍みる」

など、心配な方はご相談ください。

なるべく痛みの少ない、苦しくない施術をおこなっています。

以上「歯を傷つけないクリーニング」でした。

宝塚市の歯医者 笹山歯科医院

歯ぐきが下がる原因

歯ぐきが下がる原因

①歯ブラシ圧が強すぎる。

歯ブラシの横磨きが強すぎると、歯ぐきが削られて下がることがあります。

特に歯ぐきが元々薄い感じの方は要注意です。

②歯ぎしりをしている。

歯ぎしりが強いと歯ぐきが下がることがあります。

③不適合な詰め物や被せ物

歯と歯ぐきの境目付近に不適合な詰め物や被せ物があると、磨き残しがのこりやすくなり、歯周病により、歯ぐきが下がることがあります。

④歯周病

歯周病が悪化すると、歯ぐきの下の骨が痩せて、その上の歯ぐきも下がります。

⑤老化

老化によっても一定量の歯ぐきは下がります。

しかし、老化だけで極端に下がることはありません。

歳を取って、歯ぐきがかなり下がった場合は、歯周病による可能性が高いです。

以上「歯ぐきが下がる、痩せる原因」でした。

⑤の老化以の①~④は予防出来ます。

老化だけで歯が抜けることはありませんので、予防を大切にしましょう。

宝塚市 笹山歯科医院

 

 

歯を長持ちさせる方法

これをするだけで歯の寿命は変わります。

①歯磨きの後、水でゆすがない。

②何もしていない時は、上下の歯を触れさせない。

③1日1回は、フロスか歯間ブラシをする。

④3か月毎の定期検診とクリーニングを受ける。

解説

①歯磨き粉に入っているフッ素が虫歯予防に強力な効果を示します。

歯磨き後に何度もゆすいでしまうと、フッ素も流れてしまいます。

歯磨き後は15分程度は飲食を控えましょう。

②本来、何もしていない時は、上下の歯は僅かに隙間があり、触れていません。

日常的に触れていると、歯ぎしりや噛みしめの癖が強くなり、歯が欠けてしまったり、ヒビが入ったり、歯周病が悪化したりと、悪影響があります。

③虫歯菌や歯周病菌は、歯と歯の間のように通気性の悪い場所を好みます。

歯と歯の間の汚れは自然に落ちません。10~20代はフロス、30代以降は、フロスと歯間ブラシでセルフケアしましょう。歯と歯の間の病気予防に強力な効果があります。

④セルフケアだけでは落としきれない、歯垢や歯石を3か月ごとにクリーニングすることで、少しくらい溜まっていても、元通りにリセットできます。また、虫歯が見つかっても、まだ小さいので、最小限の治療で済みます。

 

ある統計では、健康な天然の歯の50年残存率は、99%近くあるといわれています。

失った歯をもっとも天然の歯に近い状態に戻せるインプラントでも、10年で90%程度です。

天然の歯は生まれつき備わっているのでコストは0円ですが、インプラントの相場は1本40~60万円程度といわれています。

コスト面でも、機能面でも、審美面でも、自分の歯に勝るものはありません。

当院では歯を大切にしたい方のお手伝いをしています。

今は大切さにピンと来なくても、大丈夫です。

通っていると、知らず知らずのうちに、

「歯って大切なんだな。」

「もっと歯を大切にしたいな。」

と思ってもらえるような診療を心掛けています。

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