歯医者がワンオペしてみたら スタッフゼロ診療は可能!?

院長の笹山です。

結構前の話です。

以前から一度はやってみようと思っていたことを実践してみました。

歯医者のワンオペです。

病院にいるのは自分1人で、スタッフゼロでの診療です。

たまたまスタッフが事前に休みを申請していて、人手が手薄な日があったので、他のスタッフの出勤も調整して、その日をワンオペする日に決めました。

1人っきりでは、いつも通りにはいきませんので、普段より大幅に予約患者さんの数を絞って診療しました。

朝出勤したら、診療所のシャッターや駐車場のポールを外して、洗濯機を回して、暖房を入れたり、照明をつけたり、診療機器やパソコンの電源を入れます。前日の診療後に滅菌した器具を滅菌器から取り出して、所定の位置に戻します。

この辺りは日頃から自分も結構やるので慣れています。

診療が始まり、来院された患者さんの診察券や保険証をお預かりし、カルテを院長デスクに移動し、患者さんを診療椅子にご案内し、治療をおこない、治療が終わったら、お会計をし、次回のアポイントをおこないます。そして次の患者さんがいらっしゃる前に、使用した器具を片付け、診療椅子を消毒し、次の治療に必要な器具を準備します。

文章にすると数行で表現されるのですが、全て自分でやるのはなかなか大変です。

患者さんから「お1人ですか?先生も大変ですね~」と言われたり、

長年通ってくださってるご高齢の患者さんに「先生、お一人ですか?おさみしゅうございますね。」とお気遣いのお声をいただきました。

午前中の治療が終わっても、カルテの片づけ、器具の洗浄や滅菌、診療椅子や待合室の清掃、洗濯後に乾燥機にかけていた洗濯物を畳んだりと休む暇はありません。

昼休みも電話対応をおこなうので、診療室で待機です。昼寝も出来ません。

午後は診療開始前に来られる歯科技工所の営業の方に歯型を渡したりして、その後に午後診療の準備を進めます。

午前同様、治療以外の全ても一人で行い、午後の治療が終わったら、医院全体の清掃、器具の滅菌、受付の締め作業など盛りだくさんです。

最後はシャッターを閉めます。

そんな感じで、ほぼ休憩することもなく、1日を終えました。

初めてのワンオペなので、予約を絞って入れてはいたのですが、当日に予約外の急なお痛みの患者さんや、今日定期健診を受けたいという患者さんもいらして、お二方とも対応したので、割と忙しかったです。

ワンオペにチャレンジしたのは以下のような理由からです。

①当院は小規模医院で元々スタッフ数も少ないので、色んなアクシデントが重なるとワンオペになる可能性もあるかもしれません。そうなった時に慌てて患者さんにご迷惑をおかけしないように、事前にワンオペの実際を体験してみたかった。

②普段スタッフに任せていることを全て自分でやることで、何か得られるものがないか確かめたかった。

そして実際にワンオペをした感想は…

①やはり治療中に電話が鳴るのが気になりました。治療中に電話が鳴ると、治療の手を止めて電話に出るので、治療の再開まで時間を結構ロスしますし、治療中の患者さんにもご迷惑をおかけします。

②ほとんど治療は一人でも出来なくはないのですが、内容によっては、ワンオペでは難しいものをあると感じました。やはりアシスタントがいた方が断然楽です。

③今回は急患対応も出来ましたが、予約状況によっては、急患対応が難しくなります。当院は「痛い。」「取れた。」「腫れた。」でお困りの患者さんは原則当日拝見すると決めていますので、それが出来なくなるかもしれません。

そんな感じでワンオペを体験して気づいたことが沢山あるので、これからの診療に生かしていきたいと思います。

ただ以前から、もしワンオペになったらどうしようという思い(不安?)が頭の片隅にちらついていたので、今回実際にワンオペを体験したことで、無理ではないことも分かったので、そういう小さな不安は減ったと思います。

ただ、スタッフに手伝ってもらうことは、やはり大切なことだということも良く分かりました。

美容室ではワンオペは割と多いようなのですが、歯医者のワンオペはなかなか難しいです。

今回は自らワンオペに挑戦しましたが、やむを得ずワンオペにならないように気を付けたいと思います^^

忙しく仕事をしている白衣の男性のイラスト