感謝

院長です。当院は父が1971年に阪急山本駅の前で開業しました。

7年後に現在地の宝塚南口に移転して今に至ります。

しかし移転後も山本駅時代からの患者さんが多く来院されていました。

3年前に父と代替わりした時は、さすがにもういらっしゃらないだろうと思っていたのですが、

引き続き通院してくださる方がほとんどです。

今日はこんなことがありました。

30年以上前に父が治療した金冠の下が少し虫歯になっていたので治療した患者さんです。

その患者さんも山本駅時代からの患者さんです。

金冠は問題なかったので、少し虫歯になった箇所だけ詰めて1回で治療を終えました。

患者さんから「今、治療されていた時に何考えていたと思いますか?」と聞かれたので

見当もつかずに「何ですか?」とお伺いすると

「お父さんに治療してもらった歯を息子さんにも治療してもらって感慨深いです。」と

おっしゃいました。

意外なお言葉を頂きましたが、そう思って頂けて私も嬉しかったです。

タスカルウィズ

院長です。

今日は暖かい日でしたね。春が待ち遠しいです。

捨てる神あれば拾う神あり。色んなことがありますが、私はつくづく周りの方に恵まれています。感謝です(^O^)

 

今回は歯周病や虫歯の予防に力を入れている当院の診療器具をご紹介します。

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こちらはタスカルウィズという歯のクリーニングに使用する歯科医院専用のメンテナンス器具です。

日頃の歯ブラシなどのセルフケアだけでは、虫歯や歯周病を防ぐのは難しいので

ご自身で取れきれない歯垢や歯石をキレイに取ってあげる事が予防にはとても大切です。

このクリーニング処置を歯医者さんでは「PMTC」(Professional Mechanical Tooth Cleaning)といいます。

PMTCに使用するのがこの器具です。

通常のクリーニング器具と比べてヘッドがかなり小さいので、お口が開けづらい人でも奥まで届き、楽にクリーニングを受けられます。

ブラシ部分の回転数を細かくコントロールでき、歯の状態に合わせた無理のないクリーニングが行えます。

また通常のクリーニング器具と比べてとても軽く、コードレスなので、施術時の姿勢や角度を制限されることなく、使用するスタッフの体の負担を軽減できます。

毎日毎日、歯石をとったりクリーニングをしていると手や肩に大きな負担がかかりますから、大切なメリットです。

この器具はメーカーが現場で働くたくさんの歯科衛生士さんの方々の意見を取り入れて開発されたそうですが、納得です。

私も時々使用しますが、非常に使いやすく、患者さんも楽そうでした。

歯の表面がツルツルピカピカになり舌触りも良くなります。

メンテナンスごとに、このツルツルなった状態(歯に菌がついていない状態)を作ってあげると、お口の中の歯周病菌や虫歯菌が減り、予防効果が高まります。

 

 

 

お口は入り口

院長です。

もう春の恰好している人も多いですね。お洒落さんはすごいです。

私はいまだに真冬の恰好です(-.-)

 

さて最近、お口の中が不潔だとインフルエンザ治療薬のタミフルなどが効きにくくなる可能性があることが

大学の研究で分かったというニュースがありました。

昔からお口は健康の入り口といいますが、病気の入り口でもあるのです。

お口の中が不潔で歯周病や虫歯に感染していると、糖尿病、心臓疾患など全身に影響が及ぶことが分かっています。

最近の当院の傾向として癌治療や心臓などの大きな手術を控えた患者さんの主治医の先生から御依頼状をいただくことが増えました。

御依頼の内容は手術の前に歯周病や虫歯も治療して、お口の中の虫歯菌や歯周病菌を減らしてくださいというものです。

つまりお口の中がキレイでないと、それらの手術や治療の結果に影響が及ぶという事なのです。

まだまだお口と体を別に考えている方が多いのは、私たち歯科医師の情報提供が遅れているからだと思います。

今は影響に対する話が主ですが、全身に特に問題がなくても歯周病がきっかけで他の病気が発症する可能性もいわれています。

ですので、大きな病気を抱える前の元気なうちから歯周病のケアをしておくことは、お口の健康だけでなく、全身の健康にもつながるのです。

栄養をしっかり摂るには、虫歯や歯周病のない歯が大切です。しっかりと咬めることによって唾液の分泌が促進され、消化も良くなります。食事自体の栄養のバランスも大事は大切ですが、お口が健康でないとその効果も落ちてしまいます。

私自身の話ですが、昔より徹底的にセルフケアを行い、デンタルフロスや歯間ブラシなども使うようになってからは、歯ぐきが健康になり、風邪も引きにくくなり、引いても治りが早くなりました。セルフケアで落ちない所はは、歯科用の器具で取ります。

セルフケアと定期的なメンテナンスお勧めします(^^)

 

 

 

 

定期検診?

現在、日本の80歳の方に残存している歯の本数は平均12 本です。それに対し、スウェーデンでは平均20本、アメリカでは17本です。

この違いはどこから生まれるのでしょうか?
実は欧米諸国と日本では歯科定期検診の受診率に大きな差があります。

予防歯科が進んでいるスウェーデンでは、歯科定期検診の受診率は全国民の80%以上です。

また、他の欧米諸国でも70%ほどの受診率を保っています。これに対し、日本の受診率は10%未満なのです。

以上は日本臨床歯周病学会サイトに掲載されている文章です。

私なりに日本の定期検診の受診率の低さを考えてみました。

定期検診というと悪いところがないか?チェックするというイメージがあります。

しかし、歯科の定期検診でもまずは悪いところがないか見ることを行い、悪いところが無ければそれで終わりでなく

歯石を取ったり、歯のクリーニングを行います。医科の検診は悪いところが無いか見るのが主な目的だと考えられますので

ここが医科と歯科の違いと言えます。

欧米諸国の方が歯の残っている本数が多いのは、定期検診時に歯石を取ったり、クリーニングをしていることが大きな要因と思われます。

つまり定期検診ではなく、実際は定期的なクリーニングですね。

たしかに定期検診と言われると、「今、悪くないからいいかな?」と思うかもしれません。

もうひとつ、生活の中に定期検診に行くという習慣がもともとない方が多いのも理由だと思います。

欧米では歯科の定期検診は生活習慣の中に取り込まれていて、皆さんが美容室に行くような感覚で当たり前のように行きます。

当たり前になっていて、生活の中にその時間が確保されており、忙しいから行けないという感覚が少ないのだと思います。

 

 

 

 

総入れ歯

院長です。

日々知識と技術の習得に努め、目の前の患者さんに満足して頂ける治療結果を出せるように励んでいます。

今回は総入れ歯について書きます。

総入れ歯とは歯が一本もない人が装着する入れ歯です。

歯が一本もないので部分入れ歯のように残っている歯にバネをかけたりすることはできません。

部分入れ歯

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では上あごの総入れ歯はバネをかける歯がなく支えられないのに、どうして外れないのか。

下の図のように上あごの歯茎も覆って、吸盤のように吸い付かせて落ちないようにしています。

総入れ歯

 

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お風呂の壁や台所のシンクに吸盤を付けるようなイメージです。

ただし、入れ歯は入れるだけでなく、食事をするために咬まなければなりませんので、咬む力が加わります。

この時にしっかりと作られていない義歯はその力に負けて吸着がなくなり外れる、もしくは外れそうになります。

吸盤に隙間から空気を入れるとすぐ落下してしまうのと同じです。

会話の時も、上下の歯は当たりますので、その力で会話している時に外れそうになることもあります。

それを防ぐにはどうすればいいか。入れ歯安定剤を塗りつけて使うという方法もありますが、常用すると、かみ合わせが狂ったり、入れ歯が不潔になったりと問題が出てきます。安定剤は一時的なものをお考えいただくのが良いです。

歯のない部分の骨や歯ぐきの状態にもよりますが、入れ歯の型採りやかみ合わせの調整をきちんとおこなえば、安定剤を使わなくても、外れない、外れそうにならない義歯を作ることは可能です。

総入れ歯を安定して咬めるようにするには、知識や技術が大切で、術者によって結果に差がかなり出ます。

毎回の治療ごとに、たくさんのチェックポイントがあり、ひとつづつステップを踏むことが重要で診療時間外の技工作業やシミュレーションが欠かせませんので結構な労力のかかる仕事です。

最近ではめずらしく立て続けに総入れ歯を作ることになり、同時進行で何ケースが治療を始めたのでちょっと大変ですが、

年末のブログに入れ歯の治療を更に充実させると書いたところだったので、良いタイミングでした。

入れ歯作りは歯医者の職人的な部分が発揮される治療ですので、やりがいを感じながら進めています。