抜歯?抜く?抜かない?保存?

お盆も終わり、夏も後半戦スタートですね。

今日は前歯のセラミック歯の形態修正や精密入れ歯の型採りがありました。

前歯のセラミックは審美歯科治療の代表的格ですので、1回でセットすることはまずありません。

歯の微妙な大きさや形, 色。患者さんが気にならなくても、こちらの目線で違和感があればセットせず一旦お預かりして修正させていただきます。

完成後もすぐその日は本セットせず、仮付けさせていただきます。

最短で1週間ほどの仮付け期間を設けて、審美的、機能的に問題がないか患者さんご自身にも確認していただきます。

手鏡を渡されて「これで見た目大丈夫ですか?」って言われてもその場ではすぐには判断は出来ないものですので、仮付け期間中にじっくり判断しいただきます。ご本人だけでなく、親しい人やご家族に見ていたただくと良いと思います。

実際に使用していただき、細かなリクエストがあれば再度お預かりして修正をかけます。

次に精密入れ歯の型採りです。

精密入れ歯の型採りは個人トレーというオーダーメイドトレーをお口の中でコンパウンドという材料を使い、更にフィットさせてから型取りを行います。1連の作業を行うと型取りだけで約1時間はかかります。

精密入れ歯の最大の特徴は、最善の治療方法を時間や材料の制約なしに行えることです。

さて本題です。

「抜かないとダメだと言われたので・・・何とかなりませんか?」

セカンドオピニオンで来院される方が結構いらっしゃいます。

抜歯・・。

患者さんも歯科医院も出来るだけ避けて通りたい治療ですよね。

「この歯は抜いた方がいい」

「まだ残せる」

抜歯の基準は歯科医院によって変わるのでしょうか?

変わります。

どの先生が診ても明らかに抜歯しかないという歯もありますが、

実はセカンドオピニオンで来院される方の歯は、そうではないことが多いです。

「歯科医師によって、抜歯するか否かの判断が分かれるだろうな。」という状態の歯です。

言い換えると、患者さんサイドからすると十分な説明を受けないと抜歯を受け入れられないだろうなという状態の歯でもあります。

持たなそうな歯は早めに抜くという考えの根拠としては

抜歯する可能性があるほど弱っているということは、治療しても、そう長くない日に結局抜歯になってしまう可能性があります。

また、抜いた後にインプラントで治す可能性がある場合は、早めに抜いた方が歯の周りの骨が温存され、より確実なインプラント治療が可能になる場合もあります。

次に抜かずに残す治療を選択する考えです。

抜歯の可能性がある歯を治療した場合、どこまで持つかは保証できません。

十分にその辺を患者さんにご説明してご理解が得られたら残す治療を行います。

当然歯を出来るだけ残す知識と技術も必要です。

持たなそうな歯をそれなりしか治療しなければ、それなりにしか持ちません。

根本的な歯の状態は変えられないとしても出来るだけ持つように治療することは可能です。

ここ最近の抜歯のセカンドオピニオンのご相談を受けて感じるのは「抜歯の判断が早くなっている」ということです。

歯はご自身の大切な体の一部です。

迷ったらセカンドオピニオンをおすすめします。

残す治療の一例はこちらから↓

https://www.sasayama-dc.com/blog/3647/

 

 

 

8020運動達成者は過去最高

急に暑くなってきましたね。

蝉の声もチラホラ聞こえ始めました。

診療室もエアコン、扇風機、サーキュレーターがフル稼働です。

 

さて、8020運動ってご存知ですか?

「80歳になっても20本以上の歯を残しましょう」という厚生労働省が推進する運動です。

達成度は5年に1度行われる歯科疾患実態調査という調査で分かります。

その結果がこちら↓

結果①

この結果から80歳の約半数の方が20本歯を残せたことが分かります。

平成5年では約10本だったことから、かなり改善されていることが分かります。

結果自体はとってもいいことなのですが・・

そもそも歯は元々上下合わせて28本あります。(親知らずは含んでいません)

歯には1本1本に役割があり、1本でも失うとかなりバランスが崩れます。

前歯の役割:食べ物の塊をぶつ切りにする包丁のような役割

奥歯の役割:前歯で刻んだ食べ物を臼のような奥歯ですりつぶして飲み込めるようにする

前歯と奥歯というふうにざっくり分けましたが、同じように見える奥歯でも1本1本役割が違います。

ですので1本や2本なくても平気ではないのです。

人間は失った機能にある程度順応し慣れるので、しばらくすると歯がないことに慣れてしまいますが、あくまで慣れであってバランスは崩れたままです。その崩れたバランスを放置すると残っている歯に負担がかかります。

歯を失ったら入れ歯やブリッジ、インプラントを入れればいいのでは?

たしかにそうなんですが、入れ歯やブリッジには寿命があり、更に歯を失う原因になることさえありますし、

崩れたバランスを天然の歯とおなじように回復することはできません。

インプラントは天然の歯に近く、もっとも寿命が長い治療方法ですが、保険適応外で手術も必要です。

まわりくどくなりましたが、元々28本あった歯から8本失い20本になるということはかなり咀嚼機能とバランスを失っているということです。

ちなみに8020運動は約30年前(平成元年)に掲げられた目標です。

その頃は平均寿命もまだ短く、80歳の人はほとんどは総入れ歯(1本も歯がない)の時代です。

今は平均寿命も延び、80歳といえばまだまだ元気です。

これからの80歳は8028(一本も歯を失わない)を目指すのが当たり前になるでしょう。

当院では3~4か月毎のプロケアを推奨しており、かなりの割合の患者さんが、このリコール間隔で来院されています。

プロケアを受けている患者さんは明らかに「歯を治療(削る・抜く)する回数」が減っており、虫歯や歯周病の予防効果がかなり高いことを実感しています。

歯を1本も失わないためには、セルフケアでは不可能です。プロケア(歯の定期健診とクリーニング)を欠かさないようにしましょう!

「歯 イラスト 無料」の画像検索結果

ハンドピース×滅菌×歯科医院

先日、某新聞にまた歯科の滅菌についてこんな記事が出ていました。

「歯科医院で使うハンドピース(歯を削るドリル)の半数は使い回し・・」

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170701-00050111-yom-soci

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170703-00050049-yomidr-sctch

ハンドピースとはこんな器具です↓

ti-max-x95-850x850またというのは5年前の同新聞に7割が使い回しという記事が出たからです。

5年経って2割が減ったものの、いまだに半数が使い回ししていると・・。

「使い回し」といっても前の患者さんに使ったものを清掃せずに使っているわけではなく、滅菌せずにアルコール消毒等で済ませている医院のことを指すのだと思います。

消毒では肝炎ウイルスやHIVウイルスなどは死滅しないので消毒だけでは不十分です。

あらためて言う事でもないのですが・・・

当院ではハンドピースを滅菌しています。

ただ滅菌しているだけではありません。手間をかけて滅菌しています。

まずアルコールを浸したガーゼで唾液や血液を十分に拭き取ります(滅菌する前に手作業でしっかりと拭き取りをすることはかなり大切です。)

ハンドピースの内部の汚染された唾液や血液は拭き取れないので、自動でハンドピース内部をオイル洗浄する機械にかけて注油洗浄します。 (洗浄注油スプレーを手で直接注油する方法もありますが、機械に比べて清掃が十分といえません)↓↓

「ケア3 NSK」の画像検索結果

注油洗浄が終わったら、ハンドピースの内部まで真空状態で滅菌できるヨーロッパの滅菌基準に準拠したハンドピース専用滅菌器で滅菌します↓

「アイクレーブミニ」の画像検索結果

パックで滅菌されたハンドピースは次に使用するまで汚染されることなく、清潔な状態で保管されます。

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絶対に使い回ししないので医院の規模以上にハンドピースの数を確保しています

もちろん歯を削るドリルの先も全部滅菌しています。

当然、治療用手袋(グローブ)も患者さんごとに交換しています。

使い終わったグローブ1日分↓

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患者さんのお口に入る物はいつも清潔な状態です。ご安心ください^^

検診シーズンも終盤

急に暑くなってきましたね。今年の梅雨は雨が少ない気がします。

歯科検診シーズンも終盤です。

5~6月にかけて小学校、高校、1歳半検診と診療時間を変更して出務してきました。

来週の保育園の歯科検診に出かけたら今年の出務は終わりです。

今年から園医をさせていただくことになった新しい保育園です。

当院に来てくれているお子さんも通っている保育園なので、ちょっと会うのが楽しみです。

本人は気付かないでしょうけど^^

「子供 歯 イラスト フリー」の画像検索結果

 

お子さんの虫歯予防のコツ 

お子さんの虫歯予防にどんなことを気をつけていますか?

「甘いものをあまりあげない。」

「仕上げ磨きを欠かさない。」

色々あると思います。

虫歯予防のポイントは

①フッ素入り歯磨き粉で磨く。磨いたら1回もゆすがない。

②小学校6年生くらいまでは、毎晩仕上げ磨きをおこない、歯と歯の間も清掃してあげる。(糸ようじがおすすめ)

③乳酸飲料・炭酸飲料・スポーツドリンクは極力与えない。

④歯科医院で定期的にフッ素塗布の処置を受ける。3か月に1回がベスト。

⑤間食は1日1回。

この5つを気をつければ、そうそう虫歯は出来ません。

当院では虫歯のあるお子さんの保護者の方に、虫歯予防アンケートをご記入いただき、虫歯予防についてお話しする時間を設けています。虫歯は防げる病気です。ちょっとしたコツをつかめば予防できます。

宝塚市の歯医者 笹山歯科医院