転院したほうがいいかもしれない歯医者

転院したほうがいいかもしれない歯医者

➀医院が不潔。

新しくても、内装がおしゃれでも、清潔かどうかは別問題です。

私も自分自身の歯の治療をしてもらうために、技術の高い先生方に治療をしてもらったことがあるのですが、どの先生のクリニックも整理整頓や掃除が行き届いており、とても清潔でした。

「医院の整理整頓が行き届いていない。」

「洗面所やトイレの清掃が行き届いていない。」

「治療椅子周辺がゴミ、髪の毛、ホコリ、飛び散った水で汚れている。」

「治療器具が汚れている。」

このような歯医者さんで、質の高い治療が受けられる可能性は限りなくゼロに近いと考えています。

②治療方法の選択肢が少ない。

これは以前にもブログで書いたのですが、今通っている歯医者さんの治療方針が全てと思い込んでしまう患者さんが多く、本当はもっと別な治療方法があるのに、知らされずに何年も不自由をしたり、歯で困られている場合があります。

歯の治療方法は本当に無数にあります。

当然、私も出来ない治療はあります。限られた歯科医人生の中では、どんなに勉強しても時間が足りません、学びきれないんです。

それでも、出来るだけ多くの選択肢から患者さんが選べるように勉強と実践を続けています。

私自身が出来ない治療についても、「うちでは出来ないのですが、こういう治療方法もあります。」とバイアスを入れずに説明しています。

③受付の対応が悪い。

ちゃんとしている歯医者さんは、受付に愛想の悪い人や不快な態度を取る人を配置しません。

受付の対応ひとつで、医院への印象がどれほど変わるか知っているからです。

ホテルのような丁寧な接遇が必要とは思いませんが、患者さんが不満や不安を抱いてしまう対応をさせる人を受付に配置するということは、患者さんを軽視しているとも考えられます。

昨今の人手不足は深刻ですが、私の医院では、そういう人を受付に配置することはありません。

人手が足りない時は、私自身が電話も取りますし、予約を取ることもあるくらいです。

 

➃保険治療を否定し、自費ばかり勧める。

ちゃんとした治療をおこなうことを前提にすれば、保険と自費では自費の方が質が高い事は間違いありません。

しかし、自費診療は高額になりますので、良い治療と分かっていても、経済的な理由などで受けられない人もいます。

頭ごなしに保険診療を否定する説明の仕方には賛成できません。

歯石取りや抜歯、小さな虫歯を治すには、保険診療はローコストでとても良いシステムです。

また、詰め物や被せ物に関しても、プラスチック製の白い歯(ジャケットクラウンやCADCAM冠)については、正直おススメ出来ないのですが、銀歯に関しては見た目を気にせず、ちゃんと歯磨きをして、定期的な検診とクリーニングを欠かさなければ、そこまで粗悪な材料ではありません。

私の医院では自費診療と保険診療の両方をおこなっていますが、保険診療の良い部分についても、きちんとお話しし、その上でどちらにされるか選択していただいています。

大切なことは、保険と自費のメリット・デメリットを患者さんがしっかり理解して頂いた上で、

「患者さん自らが選択することです。」

 

⑤歯の根の治療をおろそかにしている。

歯の根の治療はとても大事です。

しかし、手抜きをしても、すぐに問題が起きにくい治療ですので、患者さんは手抜きされたことに気づくことは出来ません。

過去に神経を抜いてあり、今は症状のない歯でも、再度、根の治療をしておいたほうがいい歯はたくさんあります。

歯医者が歯の根の治療を手抜きする理由の1番は、採算が合わないからです。

保険診療の歯の根の治療の費用は信じられないほど低く、先進国の中でもワースト1ぐらいの評価です。

最近は保険診療でも一部の歯についてはマイクロスコープ(手術用顕微鏡)を使用すること出来るようになり、ある程度の採算があるのですが、それにしても評価は低いです。

歯の根の治療は、家に例えると基礎工事の部分です。

基礎工事がちゃんとされていない上に、どんなにいい家を建てても、基礎が不十分な家には安心して住めません。

歯の根の治療の結果は、治療して数年後に出ることが多いです。

結果というのは、痛くなったり、腫れたりすることです。

無症状の歯でもレントゲン上で根尖病巣という病巣が出来てしまっている場合があります。

そういう状態になってしまうと、場合によっては、その歯に被せた物や詰めた物を壊してから、再治療が必要となる場合があります。

仮にそれがセラミックやジルコニアなど自費診療でしたら、高額な治療費が水の泡になってしまいます。

自費診療に限らず、歯の根の治療は本当に大切です。

不採算ではありますが、歯の将来を考えると手抜きは出来ない治療です。

⑥自費診療の見積もりを出さない、治療に保証がない。

よくあるのが、

「セラミック1本6万円です。」

と説明されて

「10万円くらいかと思ったけど、それならいいかな。」と思って、治療を承諾すると、

6万円は税抜きでの金額で、税込みだと66,000円になり、しかも型取り代や調整・装着料は、別途費用がかかるとかでです。

結局総額は8万越えとかになってしまっているケースです。

当院では、治療前に消費税や型取りや装着料など全てを込みの金額を明示した見積書兼申込書を必ずお渡ししています。

そして申込書を提出していだたいたら、申込書をコピーして、お控えとしてお渡ししています。

ですので

「聞いていなかった。」

「金額が違う。」

などといったトラブルは今まで一度もありません。

また、自費診療においては明確な保証規定がありますので、万一治療後に何か問題があった場合でも、真摯に対応しています。

➆先生の出番が少ない、説明が足りない。

以前、こんなことがありました。

「前の医院では先生があまり見てくれなかったんです。見たとしても、一瞬サッと見るだけで、あとはスタッフがほとんど見ていて、本当に虫歯がないのか不安になりました。」

治療の説明についても、ほとんどをスタッフに任せていて、先生は決まった治療を淡々とおこなうだけだったそうです。

このような診療システムで本当に歯の健康が守られるとは私には思えません。

私の医院では定期健診で歯科衛生士が担当した日でも、私自身が一度は必ずお口の中全体をチェックし、何か気になっていることはないかお聞きします。

治療の説明についても、余程簡単なこと以外はすべて私がおこないます。

もちろん「先生よりスタッフのほうが話しやすくていい。」という患者さんもいらっしゃると思いますので、その辺りは好みが分かれると思います。

私自身は自分がお医者さんにかかったら、お医者さんご自身から治療方針や説明を受けたいと思っているのでそのようにしています。

➇予約時間が守られない

「予約時間に来ているのに、毎回待たされる。」

「待たされたのにお詫びの一言もない。」

当院も急患対応や、前の患者さんの治療が長引いてしまい、予約時間にお越しになった患者さんをお待たせしてしまうことはあります。

しかし、ほとんどは5分以内、長くても10分以内にご案内します。

もちろん患者さんにお詫びもします。

逆に当院では予約時間を5分過ぎても患者さんがお見えにならない場合、電話で連絡します。

何度もキャンセルや遅刻する方は、診療をお断りしています。

そのため、当然こちらも時間厳守でいかなければなりません。

こちら側も患者さんを出来る限りお待たせしないように、最大限の努力を怠らないようにしています。

ちゃんとした診療をおこなっている歯医者さんは、

「患者さんの大切な時間を無駄にしたくないし、医院の大切な時間も奪われたくありません。」

ですので、時間というものを大切に考えています。


急に虫歯がたくさん その理由は? 歯医者を変えたら虫歯が10個も?

転院の話。治療の途中からでも診察OKです。

歯を大切にしたい方は、慎重に歯医者選びをおこなって頂きたいです。

「スタッフの愛想がいい。」「先生が優しい。」「痛くなかった。」「近所で通いやすい。」「患者さんが多くて流行っている。」

これらも大切な要素ですが、

歯を大切に出来る歯医者さんの要素においては、上記の①~➇も歯医者選びの参考にしていただければと思います。

以上「転院したほうがいいかもしれない歯医者」でした。

皆さまのお口の健康の参考になれば幸いです。

宝塚市の歯医者 笹山歯科医院

 

長く通っているのに歯が悪くなってしまう時

歯医者さんで損をしている人がいます。

中でも一番損をしている人は、真面目にずっと定期検診に通っているのに段々歯が悪くなる人です。

歯もきちんと磨けていて、定期的にクリーニングを受けているのに、歯が段々悪くなることはあります。

1番多い理由は、元々治療済みの歯が多かったり、重い歯周病があったり、既に抜けた歯があり、入れ歯やブリッジを入れている場合です。

既に歯や歯ぐきが弱っている場合、特に神経を抜いた歯が多かったり、歯周病で骨が痩せてしまっている場合は、頑張って磨いたり、定期的にクリーニングを受けるだけでは、歯は段々と悪くなってしまうことがあります。

なぜそうなるかというと

「既に弱くなっている歯や歯ぐきに対して、適切な治療がなされていないから。」

という理由が考えられます。

歯の治療の良し悪しを患者さんが判断するのは、とても難しいです。

「痛くなかった。」

「すぐに治った。」

「よく噛める。」

といった判断基準が多いのではないでしょうか?

しかし、歯の治療の本当の結果が分かるには、実は結構時間がかかります。

たとえば、歯と同じ色の樹脂、コンポジットレジンで白く歯を治したとします。

前のブログでも書きましたが、コンポジットレジンは詰めた時が一番きれいで、少々ラフに詰めてあっても、違和感を感じることはありません。

1回で治せる白い詰め物 *治療画像あり

 

また、歯が痛くて、歯の神経を抜いた場合でも、神経を抜いて、痛みが治まった後に、神経を抜いた歯の根の治療をきちんとやっておかないと、数年後に歯の根の病気になる可能性があります。

しかし、神経を抜く治療が少々ラフでも患者さんは治療後の数年間は、無症状で過ごすことが多いです。

いつまでも治らない歯の根(神経)の治療

他には、被せ物に小さな隙間があると、その隙間からセメントが漏れ出して、隙間から虫歯になる可能性がありますが、これも患者さんは余程の隙間でなければ、自覚することは難しく、数年後に隙間から虫歯になったとしても、それくらい年月が過ぎていると、過去の治療の善し悪しだとは思わないでしょう。

不適合な銀歯の中身はどうなっていたか?

このような治療を受け続けると、歯磨きをきちんとやっても、定期的にクリーニングを受けても、歯は悪くなる一方です。

最後に、これはとても大事な理由なのですが、

「お口全体を考えた治療を受けていない。」

ことが考えられます。

悪くなった時に、悪くなった歯だけを治す治療を受けていると、お口全体の嚙み合わせのバランスが崩れる可能性があります。

今痛いとか、歯が外れたとか、困っていない歯でも、状態によっては、歯科医側は「治療が必要な歯」と診断することがあります。

もちろん、小さな虫歯を治すのに、お口全体のバランスを考えることはありませんが、治療の個所が多い場合や、入れ歯やブリッジを入れる場合は、お口全体の嚙み合わせのバランスを考えて治療する必要があります。

嚙み合わせのバランスが崩れると、無意識に噛みやすい歯ばかり使うようになり、その歯が過重負担で欠けたり、割れたり、グラグラになってしまうことがあります。

また、顎関節症や肩こりや頭痛の原因になることもあります。

残念なことに、この嚙み合わせのバランスの崩れも、余程でなければ、すぐに患者さんが自覚することは難しいです。

 

当院には、今までの治療に疑問や不安を感じて、お口全体の治療を希望され、来院される方が多いです。

まずは、今までの経緯をじっくりお聞きし、必要な検査をおこなってから、

①現在のお口の状態の説明。

②歯が悪くなってしまった原因の説明。

③数種類の治療方法の説明。

④治療期間の説明。

⑤治療費の説明。

*自費診療が含まれる場合は、治療内容と治療費を明記した文書を必ずお渡ししています。

⑥患者さんの1人1人の虫歯や歯周病のリスクにあった予防方法の説明。

以上について、丁寧に説明すること心がけています。

そうすると、

「こんな話は聞いたことがなかった。」

「そういう治療があるとは、知らなかった。」

「自分の歯の状態が良く分かった。」

とおっしゃる方が多いです。

ちゃんと通っているのに段々と悪くなってしまう方は、担当の先生に、

ご自身のお口の将来の見通し

についてお聞きしたほうがいいかもしれません。

日々診療しながら、来院される患者さん1人1人が何を望まれているかを把握するのは、なかなか難しいです。

私の医院でも、すべての患者さんに将来の見通しについて、説明しているわけではありません。

ですので、時には患者さん側からアクションを起こして頂くことも必要かと思います。

以上「長く通っているのに歯が悪くなってしまう時」でした。

皆様のお口の健康に参考になれば幸いです。

宝塚市の歯医者 笹山歯科医院

歯を失って初めて知ること

歯を失ってから知ることって意外と多いです。

歯を失った場合は、ブリッジや入れ歯、インプラントなどが主な治療方法です。

初めて知ることの

1つ目は、

失った歯を補うには時間がかかる。

です。

歯を抜いた後は、どのような治し方をするにしても、基本的に1~6か月は最終的な歯は入りません。

歯を抜いた傷が落ち着くのは数週間ですが、歯を補うまでに回復するには、数か月かかります。

その間に、仮歯や仮の入れ歯を作った場合は、見た目を補ったり、早く噛めるようになりますが、あくまで仮なので、強く噛むと壊れたり外れたりするので、心もとない状態です。

入れ歯が最も早く入りますが、入った後に入れ歯に慣れるまで、早い人で1か月、長いと半年から1年はかかります。

2つ目は、

歯を補うにはお金がかかる。

です。

通常1本の歯を失った場合の選択肢は、ブリッジかインプラントがほとんどで、入れ歯を選択される方はほぼいません。

保険のブリッジでも最低でも1万円近くしますし、自費でセラミックやジルコニアのブリッジにすると数十万円かかるが相場です、

日本のインプラント1本の平均治療費は40~60万円くらいかと思われます。

保険の入れ歯なら数千円で作れる場合もありますが、ここにちょっと注意が必要で、入れ歯は装具ですので、毎日のメンテナンスが必要になります。

歯磨きに加えて、入れ歯を洗ったり、洗浄剤につけるという行為が、この先の毎日の生活にルーティンとして追加されます。

また、入れ歯は、入れ歯洗浄剤で毎日洗浄しないと、雑菌が繁殖する可能性があります。

入れ歯洗浄剤は、3か月分で1000円くらいです。

年間に換算すると、4000円です。

そして、入れ歯はブリッジやインプラントと比べて、壊れやすいので、何年か後には、作り直す必要が出る可能性もあります。

3つ目は、

歯を補うことで、周りの歯に負担をかける可能性がある。

です。

これについては以前に書きましたので、こちらをご参照ください。

ブリッジ・入れ歯・インプラントどれがいい?

 

歯を一度も失ったことがない方が、歯を補う方法について考えることはほぼないと思いますので、失った途端に、急に色々な選択を迫られることになるのが普通です。

インプラントはブリッジや入れ歯と比べて、天然の歯のように何の違和感もなく、良く噛める治療方法ですが、残念ながら健康な天然の歯の丈夫さには及びません。

インプラントの成功率(何の問題も起きずに機能する率)は

10年間で70%

という論文があり、

 

健康な天然の歯が何の問題もなく残る可能性は、

50年間で99%

という論文があります。

つまり健康な天然の歯は、何物にも劣らない

唯一無二

なのです。

 

そのためには、天然の歯を出来るだけ削らない、抜かないために、予防にシフトすることが一番賢明な選択かと思います。

予防だけで年数回の検診とクリーニングで済めば、歯を削らずに済みますし、費用も少なく治まります。

検診は時間もかかりませんし、クリーニングが終われば、歯は白くなり、お口はさっぱりして、気持ちがいいです。

天然の歯を大切にしたいですね。

以上「歯を失って初めて知ること」でした。

皆様のお口の健康に参考になれば幸いです。

宝塚市の歯医者 笹山歯科医院

削らなくていい虫歯

治療するかどうか迷う虫歯にCO~C1といわれる虫歯があります。

虫歯の深さについてはこちら ↓

 

 

c0-4

白く濁っただけで、歯に穴の開いていないCO  は削りません。予防で充分に管理できます。

ちなみにCOはシーゼロではなく、シーオーと読みます。

オーはobservation(観察)のオーです。

COの画像↓ (LIONのHPより引用)

初期虫歯なら修復できる!|歯の健康基礎知識|ライオン

C1は浅い虫歯です。

自然に治ることはありませんが、しっかりメンテナンスしていれば、進行が停止することがあります。

ただ一見、C1に見えても、実は下の方まで進んでいて、C2という場合もあります。特に、お子さんの歯に多いです。

レントゲンで診断もできますが、C1とC2の中間ぐらいの浅い微妙な深さだと、レントゲンには映らずに、診断が難しい場合があります。

そんな時は、どうするか?

とりあえず削ってみる?

削ってみて虫歯じゃなかったら?

歯は1回でも削ると、寿命が短くなります。

では、

削らずに経過観察する?

もしC2だった場合は、何もせず、経過観察していては、虫歯はどんどん進行してしまいます・・。

治療するかどうか迷う虫歯。。。

そんな時は、ダイアグノデントペンという診断器具を使います↓

虫歯に部分にレーザー光を照射して、虫歯の深さを削らずに測定することが出来ます。

レーザーといっても、無痛で歯に影響は全くありません。

検査自体は、1分もかからず終わります。

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この機器を使用することで、初期虫歯の診断精度が向上します。

削るか、削らないをあいまいにしません。

一旦削らなくても良いと診断されても、定期的に進行していないかは、定期検診を受けて、チェックすることが大切です。

以上「削らなくていい虫歯」でした。

皆様のお口の健康に参考になれば幸いです。

宝塚市の歯医者 笹山歯科医院

*当院への受診を検討されている方のメール相談はこちらから↓

https://www.sasayama-dc.com/information/index.html

令和4年歯科疾患実態調査の結果 その2 昭和~平成~令和 虫歯増えた?減った?

院長の笹山です。

引き続き、令和4年歯科疾患実態調査結果について考察していきます。

①う蝕予防に関わるフッ化物応用の経験のある者は、全体の59.4%。

そのうちフッ化物塗布の経験のある者は13.1%、フッ化物洗口の経験のある者は3.2%、フッ化物配合歯磨剤使用の経験のある者は52.4%であった(表5、図5)。

 

フッ化物応用の経験の有無 表5 フッ化物応用の経験の有無(表は厚労省HPより引用)

 

図5 フッ化物応用の経験の有無(グラフは厚労省HPより引用)

中でも1~14歳においては、フッ化物塗布経験者の割合は41.5%であった。前回調査時の結果では、フッ化物塗布の経験のある者は62.5%であったことから、今回は大きく減少する結果となった。

私の感想

子供の虫歯は昭和・平成と比べてかなり減りました。歯科医院でフッ素塗布も普通に皆さんおこなわれています。今回フッ素塗布経験者が、前回調査より、20%以上減ったのはコロナによる歯科医院の受診控えの影響もあるかもしれません。当院でもずっと定期的に通ってフッ素塗布を受けていたお子さんが、コロナの影響で来院が途絶え、数年ぶりに来院することがありますが、虫歯が結構出来てしまっていたケースが結構あります。

 

②定期的なメインテナンスの受診率は6割弱

今回の調査からメインテナンスに関わる項目が新たに追加され、この1年間に歯科検診を受診した者の割合は、全体の58.0%という結果が示された(表9)。

 

表9 歯科検診を受診している者の割合、性・年齢階級別(表は厚労省HPより引用)

 

調査対象の年齢幅が異なるものの、平成21年度に行われた「国民健康・栄養調査」において、20歳以上で過去1年間に歯科検診を受けた者の割合は34.1%。平成24年度では47.8%、平成28年度では52.9%であったことから、年々増加傾向にあることが示唆された(図10)。

 

図10  20 歳以上で過去1年間に歯科検診を受けた者の割合の年次推移(男女計・年齢階級別)(グラフは厚労省HPより引用)

私の感想

定期検診を受ける人の割合が年々増加しているのは非常に良いことだと思います。最近では20~30代の若い方でも、小さい頃から3か月ごとに検診やクリーニングを受けていたという患者さんが増えている実感があります。

皆さんまだ若いので、歯周病があったとしても非常に軽度です。昔から検診を受けて、歯磨きもそこそこのレベルで出来ているので、虫歯もほぼありません。つまり、それほど悪くないのに検診を欠かさないのです。

その患者さんたちの意識としては、「歯を大切にしたいから。」「歯を失いたくないから。」という切実な理由よりも、「子供の頃から3か月に1回行くもの。」という習慣に近いものがあると感じます。つまり美容室や散髪屋さんにいくのと同じレベルの感覚なんだと思います。

過去のブログでも書きましたが、子供の頃からの習慣化、非常に大切です。

こちらも参考にどうぞ↓

お子さんの虫歯予防のコツ 

以上「令和4年歯科疾患実態調査の結果その2」でした。

皆様のお口の健康増進のために参考になれば幸いです。

宝塚市の歯医者 笹山歯科医院