歯科拡大鏡(ルーペ)選び。サージテル、カールツァイス、ハイネどれがいい?*歯科医向け お得な情報も?

院長の笹山です。

日々の治療で常にルーペを着用して治療しているのですが、先日新たなルーペを導入しました。

ハイネというドイツのメーカーのルーペで倍率は6倍です

現在、ハイネ1台(2.5倍)(今回の6倍で2台目)とカールツァイス1台(8倍)、サージテル2台(3倍と6倍)を所有していますので、歯科医の方でルーペ選びで迷っている方に、少し参考なるかと思いブログ記事にしました。

それでは3社の良い点と気になる点をそれぞれ示します。(感想は個人の主観です。画像はデモ機も含みます。)

①サージテル (オークリーフレームタイプ)

良い点

1)フレームが樹脂製のため、軽く、装着感が一番良い。倍率が上がって重くなっても、フレームで耳や鼻が痛くなりにくい。

2)見た目が洗練されていてカッコいい(結構大事な要素です)

3)販売代理店が日本にあり、修理など対応は比較的早いと思われます。

気になる点

1)サージテルは低倍率2.5か3倍なら、正直他の安いメーカーとそれほどの違いを感じられない。

2)アジア人は、鼻の眉間より下の部分が低いので、欧米人用に作られたオークリーフレームではノーズパッドを別途購入しないと、覗き込む姿勢(上顎臼歯を見る時など)鼻からずり落ちやすい。

3)倍率の基準が独自。倍率についてはメーカ統一の規格性がありません。例えばサージテルの6倍だと数字上は高倍率に感じるのですが、カールツァイスに換算すると3.6倍くらいに相当します。

サージテルの10倍は使ったことがないのですが、多分ハイネの6倍より少し大きく見える程度だと思います。

4)値段がややお高い…。

5)私はTTLタイプ(上記のサージテル画像)を所有しているのですが、現在、サージテルはフリップアップタイプしか販売していません。

サージテルフリップアップタイプ↓

フリップアップタイプは、目からレンズまで距離があるため、実際の倍率より低く見えることと、視野が狭くなります。

やはりメガネにレンズに直接埋められたTTLタイプの方が視野も広く見やすいです。

ただし、TTLはゴーグルに接着剤でレンズを固定していますので、いつかは接着剤が劣化してレンズが外れてしまいます。

サージテルでは、それを付け直す修理サービスをおこなっていましたが、TTLの販売終了と共にそのサービスは終了となりました。

ですので、私の所有するTTLはレンズが取れてしまったら、使えなくなるのです( ;∀;)

サージテルのTTLはもうないのですが、他のメーカーならTTLの販売はあります。レンズとゴーグルがくっ付いていることで、見やすく、視野が広いことがメリットとお伝えしましたが、実はそれが欠点でもあります。

なぜなら、ゴーグルに致命的な傷が入ると、ルーペ全体を預けての修理になるからです。

フリップアップタイプはゴーグルとレンズが分離出来ますので、ゴーグルだけを買い替えれば、預けることもなく、修理費用よりもゴーグル購入の方が安く済む可能性があります。

 

②カールツァイス

フレームタイプ1 (3.6倍)

ヘッドバンドタイプ (4.5倍)

フレームタイプ2 (8倍 現在は販売終了)

良い点 

1)他の2社と比べて明らかに視野が広い。視野が広いと、隣在歯もよく見えるので、周りの歯とのバランスを見る時に非常に分かりやすい。

2)レンズが他の2社より明るい。また、2社と比べて視野が広い分、レンズの外枠が視界に入りにくいので使用中に気にならない。

気になる点

1)ヘッドバンドタイプは、上顎前歯舌側や上顎臼歯口蓋側を覗き込んだ時に、少し安定が悪く、ルーペがずれることがあります。

バンドをきつく締めても起こるので、こまめにズレを元に戻さなければならないことがあります。

ミラーテクニックを使えば覗き込まなくてもいいのですが、どうしても覗き込んで直視で確認したい時ってありますよね?

マイクロスコープに比べて、ルーペの良い所は、機動性と直視出来る範囲が広いことです。

2)フレームタイプの場合、レンズがケプラー式で重いので、長時間(私は30分)装着すると、鼻のノーズパッド部分が痛くなります。

フレームタイプの総重量は約150gあり、これはゆでたまご3個分に相当しますので、結構な重さであることが、ご理解いただけると思います。

ルーペの実際に重さの多くを占めるのが、レンズ部分ですので、ルーペの前後の重さのバランスが悪いです。

また、本体が重いので、装着しない時は首にぶら下げておくのですが、ユニット間を移動する時など、ルーペの重さで胸の前で揺れるので少し気になります。

サージテルは軽いので、首からぶら下げて移動しても気になりません。

ぶら下げたまま移動する時は、メガネ用コードを首の下辺りまで短くすると、揺れが気にならなくなります。(上のカールツァイスの画像のフレーム2に付けたような別売りメガネコードです。)

 

③ハイネ(ヘッドバンドタイプ)

良い点

1)ヘッドバンドの安定性が抜群によい。顔を傾けても、覗き込んでも、ずれない。(カールツァイスのヘッドバンドより、確実に安定します。)

2)ライトが明るく、ライトを照らす範囲や明るさもヘッドバンドで調整できる。

3)倍率が6倍まである。サージテルの8倍程度に相当すると思いますが、サージテルは、基本的にゴーグルタイプ(ヘッドバンドも一応あります。)になるので、レンズの重みで前後バランスが悪くなり、鼻や耳が痛くなりそうです。

ハイネのヘッドバンドタイプは、後頭部にあるライト用のバッテリーと、前のレンズ部の前後の重量バランスを考えて設計されているので、そのようなことがありません。

4)専用のスタンドタイプの充電スタンドを使うと、スタンドに置くと同時にライトも充電されるのでとても便利。

ただし置き場所をとるので、勤務医の先生にはちょっとハードルが高いかもしれません。勤務先のクリニックに、場所を取るハイネのヘッドバンドを置くのは、ちょっと気を遣いそうですね。

気になる点

1)最初のセッティングが難しいです。

動かせる調整用の関節が多いので、細かく調整出来、自分仕様に合わせることが出来るのですが、どこを調整したらちょうど良いのかコツが掴めるまで非常に時間がかかります。

この調整が上手くいっていなくて「どうもよく見えないな。」と誤解されている先生もいるかもしれません。ちなみに私は1時間半くらいかかりました…。

2)ヘッドバンドタイプは重量があり、ゴツいので、常時頭に着けたまま、使用するには向かないと思います。

これを装着したままユニット間を移動したりするのは、ちょっと邪魔になります。

今回ハイネの6倍を購入した理由としては、

「姿勢を変えて覗き込んでも、ルーペがズレずに安定性がある高倍率のルーペが欲しかったから。」という理由が一番です。

 

3社の中でバランスが良くてビギナーにも向いているのは?

3社の中での初めてのルーペを選ぶとしたら、お勧めはカールツァイスのフレームタイプの3.6倍×350㎜または3.5倍×400㎜です。

ちなみに3.5と3.6は、倍率が0.1倍しか変わらないのですが、作業距離が50㎜違うので、3.6倍の方が数値上よりも歯が大きく見えます。

ただしその分、患者さんとの距離は近くなり、覗き込むような姿勢になるので、首の負担は350mmの方があります。

50mmは5㎝ですから(当たり前ですみません)5㎝違うとだいぶ姿勢が変わります。

ユニットを上げれば距離は縮まるのですが、患者さんの地上高が高くなると、アシスタントが口腔内を見づらくなります。これはアシスタントが可愛そうですし、アシストの精度も落ちるので、良くないかもしれません。

ユニットが高すぎたり、低すぎたりはアシスタントに負担をかけます。

話が逸れたので、戻します。

次は視野に関してです。

私が見え方を比較して確認する時は、視野に自分の指が何本見えるかを記録して確認しています。

ルーペ越しに、閉じた状態の指の本数を数えます。

私の場合、3.6倍だと指4本、3.5だと指4本半と違いは指半本ですが、見え方はだいぶ違います。(ちなみに私の所有する8倍は指1本)

ツァイスの3.6や3.5はデモ機を借りただけですが、レンズの明るさ、本体の重さ(少し難ありですが)、装着感の全てのバランスが良くとても使いやすかったです。

ツァイス純正のコード付きのライトもありますが、他社のコードレスライトをつける方が使いやすいと思います。マイクロテック社のバタフライ2など。

*コードレスはバッテリーが含まれているので、その分全体の重さが重くなるデメリットがあります。コード有りは、コードが煩わしい分、バッテリーが別になる分(胸ポケットなど)、重さは楽になります。

ツァイスの価格は決して安くはないですが、後悔はないと思います。

デメリットで述べた、重さについては、私の個人感覚ですので、デモ機を借りて体感してみてください。

そこまで費用を出せないのであれば、後で紹介するCiメディカルのルーペをお勧めします。

いきなり買わないでデモ機を借りましょう

3社ともデモ機の貸し出しが可能ですので、色々借りて試してから決めるのがいいと思います。

カールツァイスは、材料屋さん経由で無料で借りられます。

ハイネも材料屋さん経由で5,000円程度で1か月近く借りられるので良心的です。

サージテルは1週間で16,500円です。メーカー直販ですので、オーラルケア社のHPから貸し出し依頼が可能です。

*貸し出し価格は2022年8月13日 調べ

その他のルーペ

3倍以下の倍率なら3社から選ばずに、Ciメディカルのルーペで十分だと思います。

私も普段はCiメディカルの3倍ルーペがメインです。

高倍率のルーペを常時使用すると目を消耗します。目は消耗品ですので、大切にしなければなりません。低倍率と高倍率を上手く使い分ける方がいいと思います。

普段使いの低価格の色々なルーペを試してきましたが、このCiのルーペは本当にコストパフォーマンスがいいです。

軽いし、視野も広いし、明るいです。

そのためサージテルやハイネの低倍率はお蔵入りになりました。

ただし、ノーマルではフレームやノーズパッドの当たりがやや強いので、デリケートな人は、気になるかもしれません。

ノーズパッドとフレーム部分が少し硬いので、市販の眼鏡用アクセサリーを追加して当たりを弱めると更に使いやすくなります。

また、倍率はメーカー独自の基準で定めていますので、カールツァイスの3.5倍と、Ciの3倍では、数値だけで見ると0.5倍しか変わりませんが、実際の見え方は全然違います。カールツァイスの方が、圧倒的に大きく見えます。

ただ、重さはカールツァイスの半分近く(80g)ですので、機動性、装着感ななどは圧倒的にCiに分があります。

Ciメディカルのお勧めルーペ↓

クリアビュールーペ TTLタイプ 3.0倍(ウエリントン) 

こちらもデモ機の貸し出しが出来ます。

TTLタイプ(スルーザレンズ)は瞳孔間距離を合わせなければならないのですが、52ミリ~62ミリまでの6種全サイズをまとめて3日間程度無料で貸し出してくれるので、自分にあった瞳孔間距離を選べるというありがたいサービスがあります。

最後までお読みいただきありがとうございます。

少しだけお得な情報です。

お得な買い方

ハイネのルーペはCiメディカルが何処よりも安く販売しています。

年3回くらい、セール価格になるので更に安く購入できます。

Ciメディカルさんのハイネルーペセールの一例↓

 

以上「ルーペの選び方、サージテル、カールツァイス、ハイネどれにする?歯科医向け」でした。

ルーペ選びの参考になれば幸いです。

宝塚市の歯医者 笹山歯科医院

今すぐ口臭を消す方法 

院長の笹山です。

コロナ過でマスク着用が当たり前になりましたので、他人から口臭を感じる機会はあまりないと思います。

それでも大切な人と会う時に口臭がふと気になったけれど、もう外に出ていて、今更歯磨きも出来ないし、ガムを買う時間もない。

口臭のイラスト「口の臭いおじさん」

そんな時に即効性のある対策があります。

それは…

舌を上顎(うわあご)に押し付けて前後に擦りつけることです。

舌の位置としては、舌を上顎につけて「ポンっ」と鳴らす時(ポッピングといいます。)と同じ要領です。前後にスライドさせます。

緑矢印から黄色矢印の位置で上顎に舌の表面を擦り付けながら前後にスライドさせます。

特に緑矢印に付近は上顎の表面の歯茎が凸凹していますので、舌苔が剝がれ落ちやすくなります。

こうすると、口臭の原因といわれる舌の上に乗った汚れ(舌苔といいます。)が、剥がれ落ちます。

そして舌を動かすことで、唾液腺という唾液が出る出口が刺激され、唾液がたくさん出てきます。口臭の原因は口の中の乾燥でもありますので、口の中が潤うことで匂いが軽減されます。

上顎だけでなく、歯の表裏全体を舌で舐め回すように動かすのも効果ありです。この動きはマスクをしていない状態でやったら、変な人になってしまいますが、マスクをしていればコッソリ出来るので目立ちません。

簡単に出来て、即効性がありますので、是非お試しください。

皆様の歯の健康に少しでもお役に立てば幸いです。

宝塚市の歯医者 笹山歯科医院

舌が痛い。ヒリヒリする。

院長の笹山です。

当院には「舌が痛い。ヒリヒリする。」と来院される患者さんが結構いらっしゃいます。

考えられるのは…

1)口内炎

2)舌痛症

3)ドライマウス

4)カンジダ症

5)被せ物や入れ歯の不具合

6)良性腫瘍や癌など

などです。

この中で原因として多いのは、ドライマウス(口の乾燥)です。

口の乾燥には原因が色々あります。

1)鼻呼吸ではなく、口呼吸している場合。

2)薬の副作用で唾液の分泌が減っている場合。

3)加齢現象で唾液の分泌は減った場合。

4)アルコール成分を含むうがい薬を頻繁に使う場合。

5)ストレスや更年期障害がある場合。

ではなぜ口の乾燥が、舌の痛みやヒリヒリの原因になる可能性があるのでしょうか?

口の中には凸凹した歯があるのに、舌が触れても痛くないのは、唾液で濡れているからです。

話したり、食べたりするときに舌があちこちに動いても、唾液が潤滑油となって、歯に触れても痛くないのです。

この唾液が減ると、舌の動きにスムーズさが無くなります。

歯は年齢と共にすり減っていき、歯の表面の凸凹が減り、平らな面になっていき、面になった部分の端っこは角になります。

擦り減ってギザギザした前歯↓

このすり減ってギザギザした歯は、普段唾液で濡れていると気にならないのですが、唾液が少ないと舌が擦れたりして、痛くなることがあります。

詰め物や被せ物、入れ歯の段差も、唾液が少なくなると、舌に擦れる可能性があります。

当院では、まずお口の中をチェックして、そのような段差や角が無いか確認します。そして乾燥の原因が他にないかを診察をします。

そして、原因が特に見られない場合は舌痛症を疑います。

舌の痛みやヒリヒリが気になる方の中には「もしかして悪い病気?」などと悩まれている方が多いです。そんな時はご相談いただければと思います。

以上「舌が痛い。ヒリヒリする。」です。

 

何とかなりました。短期集中治療。

院長の笹山です。

海外から一時帰国中の患者さんが定期健診で来院されました。

「フロスが引っ掛かる歯があるので気になる。」とのことで

拝見したところ、レントゲンで虫歯が発覚!下の画像、向かって右から2番目の歯です。

矢印部分が虫歯です。ここにフロスが引っ掛ってしまうのです。そして赤い丸で囲った部分は、歯の根の先に膿の袋が出来ており、神経が死んでしまっています。

神経が死んで壊死している場合は、今は無症状でも、いつ猛烈な痛みを生じるか分からない危険な状態です。海外でそんな事態になったら、大変です。

こうなると虫歯を削って、型取りして次回被せて終わり!というわけにはいかず、まず壊死した神経の治療からおこなわなければなりません。

すぐに帰国日をお聞きして、帰国ギリギリまでに治療を終えるスケジュールを考えました。

時間が無いからといって、治療の質を落とすと、また痛みが起きたり、再発の原因になりますので、必要な治療回数を換算すると、かなりタイトなスケージュールとなりました。

歯の根の治療後↓

 

元の被せ物を除去したところ↓ 茶色い虫歯が見えます。(レントゲンの赤矢印で虫歯だったところです。)レントゲンで見るより、虫歯は大きかったです。

 

虫歯を取り残さないように、赤色の虫歯染め出し液で虫歯を染め出しているところ↓ この染め出し液を塗って、水洗した後も赤色が残る部分が虫歯です。

 

虫歯をすべて除去したところ↓ 濃い赤い部分は、歯ぐきの炎症です。

歯の補強を終えたところ↓

ここまで来たら、後は歯型を取って被せ物が出来たら装着して終わりですが、今回のように通院可能期間に制限がある場合は注意が必要です。

万一、出来上がった被せ物が合わない場合、通常であれば歯型の取り直しなどで対応しますが、今回は帰国まで日にちがないため、再度歯型を採って作り直す事は日程的に不可能でした。

装着は1回勝負となります。

しかし何事もそうですが、絶対はありません。

そこで万一に備えて、歯科技工士さんにお願いして、今回装着予定のジルコニア製の被せ物とは別に、プラスチック製の仮歯も同時制作してもらいました。

万一、ジルコニア製の歯が合わなかった場合は、プラスチック製の歯を装着するのです。プラスチックは強度が落ちる分、部分的にプラスチックを足したり、削ったりして、形の調整が出来るので、少々合わなくてもその場でカスタマイズして歯に合うように調整することが可能です。

一方、ジルコニアは削ることは出来ますが、その場で足すということが出来ませんので、歯と歯の間のきつさが緩いとか、咬み合わせが低い場合などにも、その場で足すことが出来ない材料です。

出来上がった2つの被せ物を見比べてみます。右がジルコニア製、左がプラスチック製の被せ物です。見た目の違いは分からないと思いますが、材質はかなり異なります。

ジルコニアの被せ物の方が抗菌性が高く、割れることもほぼ無いのですが、プラスチック製でもPMMAという強度の高いプラスチックを選べば、1年ぐらいは持つと思います。

今回は万一の事態が起こらず、無事にジルコニア製の被せ物を装着出来ました↓

幸いこの患者さんは、日本に滞在中の時間的制約が少なかったので、週3回程度1回約1時間の予約枠をあらかじめ数回分確保して、何とか歯を被せて噛めるところまで辿り着くことが出来ました。

歯を作る歯科技工士さんにも協力をお願いして、被せ物の製作期間を通常の半分以下の納期にして頂きました。(ありがとうございます!)

被せ物を装着した日に、今後の虫歯予防のためのアドバイスをしっかりとおこない、その次の最後の予約では、噛み合わせの微調整と予防のためのクリーニングをおこないました。

今回少々大変でしたが、質を落とさず、しっかり治療が出来ましたので良かったです。

患者さん、お疲れ様でした!タイトなスケジュールだったと思いますが、こちらの予約状況に合わせて来院して下さったので、スムーズに治療が進みました。

また帰国の際にはメンテナンスでお待ちしています^^

治療中だけど歯医者を変えたい

「治療の途中なんだけど、歯医者さんを変えようかな。」と思う時ってあると思います。

理由は様々だと思いますが、実際に変えようとする前に

以下のようなことに迷うかもしれません。

① 今通ってる歯医者さんに連絡したほうがいいのか?

② 今通っている歯医者さんに引継ぎの紹介状は書いてもらえるのか?

③ 新しい歯医者さんに治療の続きを頼んでも大丈夫か?

 

①~③に対する歯医者である私の見解を書きます。

① 今通ってる歯医者さんに連絡したほうがいいのか? 

次回の予約をしている場合で「とんでもなく嫌なことがあった!」「もう二度と関わりたくない!」とかでなければ、キャンセルの連絡はした方がいいです。

無駄キャンセルされると歯医者さんが困るのもそうなんですが、予約日に患者さんがいらっしゃらない場合、電話やメールで連絡してくる歯医者さんが結構あります。それは「何で来ないの!」の連絡ではなくて「予約日を間違えていらっしゃらないかな?」などの確認の電話なんです。そういう確認の連絡が来て、放っておいたとしても、その後何度も連絡が来たらちょっと困りますね。

どう言って断るかですが、

「治療が痛かったから。」「説明が足りなかったから。」「対応が悪かったから。」など本当の理由を告げることも、その歯医者さんの改善のためにはありがたいことなのですが、そのようにはっきりと言いたくない、言えない場合の無難な理由は

「忙しくてしばらく予定が分からないので、またこちらから連絡します

がいいと思います。

通常はこれで十分なんですが、極まれに電話で「その後、ご都合はどうですか?」やハガキで「治療途中の歯があります。」的なお知らせをする歯医者さんもあります。

二度と連絡して欲しくない場合は、

「こちらの都合で通院出来なくなったので、他の歯医者にかかることになりました。」

がいいと思います。これだとあくまで自己都合という表現になるので、歯医者さん側はもう連絡して来ないでしょう。

② 今通っている歯医者さんに引継ぎの紹介状は書いてもらえるのか?

これは引っ越しなどの転居でやむを得えない場合以外では、やや難しいかと思います。治療時のレントゲンなどもあるに越したことはないのですが、何の資料もなくても、余程のことでなければ、新たな歯医者さんでレントゲンなど撮り直して診断すれば、ほぼ問題なく再開できると思います。

③ 新しい歯医者さんに治療の続きを頼んでも大丈夫か?

これは特に嫌がられることなく大丈夫だと思います。実際、治療の途中で転院されてくる患者さんも割といますし、歯医者さん側は慣れています。

ただし今受けている治療が矯正やインプラント治療などの自費治療の場合や、自費治療でなくても長期に渡り複雑な治療を受けられた場合は、電話等で引継ぎ可能か問い合わせてから初診の予約を取ることをおススメします。

いかがでしたでしょうか?

私個人の気持ちですが、歯型を採ったりして、何かを製作し始めた場合は、歯医者さんにキャンセルの連絡をしてあげてください。

そのまま歯が完成してしまうと、患者さんに装着されることのない物に、歯医者さんは金属代などの材料費を支払ったり、歯を作ってくれる歯科技工士さんに製作料を支払わなければなりません。

早期のキャンセルの連絡を頂ければ、歯科技工士さんに製作のストップを指示することも出来るんです。

また、その歯が自費の治療だった場合は、歯医者さんと患者さんの個人契約になりますので、歯を入れなくても物が完成してしまった場合は、費用を請求される可能性がありますのでご注意ください。

それと…

治療した歯が痛かったり問題があると、不安や不信感が湧くかもしれませんが、一度は治療した歯医者さんに診てもらって、現状を伝えていただくとよいと思います。

実はその治療は、痛みの出やすい治療だったかもしれません。歯医者さん側の伝え忘れや説明不足だったかもしれませんが、治療後の体というものは予期せぬ反応を起こすことがあります。不安や怒りの気持ちをちょっと我慢して頂き、一度診てもらうと、もしかしたら、その時に解決するかもしれません。

それでも歯医者側から明確な答えや誠実な対応がなかった場合は、転院も止む無しですが、そんな場合でも新しい歯医者さんで「前の歯医者さんでこういう痛みがあって、再度診て貰ったら、こういう説明を受けた。」という話をして頂くと、新しい歯医者さんでの診断の参考になることがあり、早く治る方向に導かれるかもしれません。ですので、もう一度同じ歯医者さんに診てもらうのは、患者さんにとってもマイナスばかりではないんです。

あと…

たまになんですが、新しい歯医者さんで、前の歯医者さんでの経緯をお話しされる時に「こんなことがあって本当に嫌だった。腹が立って仕方ない。」と、話しながら当時の不快な気持ちを思い出されて、怒りをぶつけてこられる方がいらっしゃいます。お気持ちはすごく分かるのですが、新しい歯医者さんで新たに治療を受けられるという前向きな気持ちで、お話ししていただくとスムーズに移行出来るのでないかと思います。

最後に…

やはり人間なんで相性ってやっぱりあると思います。

歯医者さんと患者さん、どちらがどうとかではなくて生理的な相性の問題です。

毎回毎回「何か話しにくいな。」「聞きにくいな。」とか、何かされたわけじゃないんだけど、なんか嫌だなと思う場合は、転院してもいいと思います。

「歯医者さんはコンビニの数より多い。」といわれてから何年も経ちます。

何軒か当たれば、絶対合う歯医者さんがあります。

以上「治療中だけど歯医者を変えたい」でした。

ご参考になれば幸いです。

当院では治療途中の患者さんも問題なく治療をお受けいただけます。

宝塚市の歯医者 笹山歯科医院