大人になって矯正って遅いですか?

当院に来院されている患者さんから時々受ける質問です。

「先生、今さら矯正ってどうですか?遅いですか?」

質問される年代としては、40歳代~70歳代くらいまでの方で、ほとんどが女性の方です。

私は「大人の矯正は、時間と費用が許すならした方がいい。」と考えています。

歯並びが悪いと、磨き残しが残りやすくなり、虫歯や歯周病になりやすくなり、噛み合わせが悪いと、歯や顎関節に負担がかかります。

しかし、大人で矯正を検討している方で、上記のような理由で矯正としようと考えている方は、ほとんどいらっしゃらず、

実際には、

「見た目を良くしたい。」

という気持ちでいる方が多いと感じます。

最近は、ルッキズムという言葉が盛んにいわれるようになりましたが、いい意味で、見た目はとても大事だと思います。

凸凹の歯並びや、出っ歯や受け口がコンプレックスであるのなら、矯正で綺麗な歯並びになると、自己肯定感も上がるので、とても有効な治療だと思います。

矯正治療を受けたい最初の動機は、見た目の改善だとしても、矯正治療を受けることで、歯並びや噛み合わせが良くなり、結果的に上述したような、虫歯や歯周病のリスクの軽減、歯や顎関節の負担も軽減も出来ます。

また、歯並びや噛み合わせが良くなることで、発音がしやすくなったり、食事がしやすくなる可能性もあります。

費用は高額になりますが、矯正治療は健康で長生きするための、価値ある自己投資だと考えています。

ですので、患者さんから「今更、矯正治療ってどうですか?」と聞かれた時は、基本的には「遅くないです。いいと思います。」とお答えすることが多いです。

最近では、従来のワイヤー矯正ではなく、インビザラインようなマウスピース矯正も多くなってきたので、症例によっては、針金をつけずに矯正を出来るようになっています。

よく聞かれる質問で、

「大人のなってからの矯正って、しても大丈夫なんですか?」

この「しても」という質問の意味は、ある程度年齢がいっていても、ちゃんと歯が動くのか?とか、歯や歯ぐきに悪影響はないか?という意味の質問です。

たしかに重度の歯周病があったり、被せ物が多かったり、既に失っている歯があったり、インプラントが入っているといった要素があると、矯正が難しくなる場合もあります。

そこは、矯正専門医の先生がどう判断するかにもよりますが、それなりの妥協点はあったとしても、「出来ない。」ということは、ほとんどないと思います。

最近も60代の女性から

「矯正して噛み合わせを治した方がいいですか?」

と相談されました。

実際に、その方は噛み合わせが悪く、このままだと好ましくないと診断しましたので、「した方がいいと思います。」とお答えして、連携している矯正専門医のクリニックにご紹介しました。

先日その後の経過をお聞きしたところ、現在検査を受けているとのことでした。

矯正専門医でカウンセリングや検査を受ければ、ご自身の歯並びや噛み合わせがどうなのか?や具体的な治療方法、治療期間、治療費用も分かりますので、より現実的に矯正治療を受けるか考えることが出来ると思います。

先ほどから、矯正専門医という言葉を何度も書いていますが、

大人の矯正の場合は、矯正専門のクリニック(矯正しかしない医院)で、主治医の先生が日本矯正歯科学会の認定医のクリニックで受けられることを推奨します。

矯正は歯医者の免許を持っていれば、専門医でなくても、治療してもいいのですが、なぜ私を含めて、多くの一般開業医が矯正をしないか、そして矯正専門のクリニックが存在するのかといいますと、矯正はそんなに簡単じゃないからです。

特に大人の矯正は、相当な知識と経験を必要とします。

私は、かつて2年間矯正のセミナーを受けましたが、学べば学ぶほど、専門医領域の治療だと思いましたので、大人の矯正はやっていません。

当院から矯正専門医のクリニックを紹介する場合でも、日本矯正歯科学会の認定医の先生が在籍しているクリニックをご紹介しています。

少し話が逸れましたが、

大人の矯正は、健康なお口を維持するために、とても有効な治療ですので、

迷われている方は、矯正専門医に相談することをおススメします。

以上「大人になって矯正って遅いですか?」でした。

皆様のお口の健康に参考になれば幸いです。

宝塚市の歯医者 笹山歯科医院

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