フルジルコニアの進化

ジルコニアってご存知ですか?

ジルコニア(二酸化ジルコニウム、化学式:ZrO2)は 、ジルコニウム酸化物である。常態では白色固体融点が2700℃と高いため、耐熱性セラミックス材料として利用されている。また、透明ダイヤモンドに近い高い屈折率を有することから模造ダイヤとも呼ばれ、宝飾品としても用いられている。限りなく本物に近い偽物とも呼ばれている。ウィキペディアより。

 

歯科でもここ数年でジルコニアを使った被せ物が増えてきています。↓

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ジルコニアのメリットは、とにかく硬い(セラミックのおよそ10倍)のでセラミックの歯のように欠けたり、割れたりすることがほぼありません。

一部で硬すぎてかみ合わせる相手側の歯を傷めるという説もありましたが、現在では否定されつつあります。

当院では去年から診療で実際に装着し始めました。

数年前までのジルコニアは色調再現性がセラミックに比べて著しく悪く、いかにも差し歯という色で周りの天然の歯の色との調和が図れないものでしたので奥歯の目立たない所にしか使用できないものでした。

何度かサンプルのジルコニアクラウンを見ましたが、自分の観点では奥歯に使用するのも躊躇するような色調でしたので、材料自体に魅力は感じていましたが、今まで使用していませんでした。

当院で去年から導入したジルコニアクラウンは 色調再現性が著しく改善された物です。奥歯に使用しても、通常のセラミックの被せ物に見た目は劣りません。歯ぎしりや噛みしめなどが理由で、奥歯のセラミックをあきらめた方にも十分に適用可能です。

今年になって更にセラミックに近い色調を再現できるジルコニアが出て来ました。歯の色の良し悪しが見た目に直接影響する前歯にも使えそうです。

前歯にジルコニアを応用したケースを近々アップできればと思います。

電動歯ブラシのその後

以前に電動歯ブラシ ソニッケアーについて歯科医師視点でレビューしました。

購入当初の感想はいまいちだったのですが、せっかく買ったので継続して使用しています。

2か月半使ってみての新たな感想です。

まず前回お書きした「歯ブラシの毛先以外部分(歯ブラシのヘッドや柄)が歯に当たると不快感がある」についてです。

これは電動で毛先だけでなく歯ブラシのヘッドも振動していますので、毛先以外の硬いヘッド部分が歯に当たると振動が歯に伝わって不快な感覚があるというものです。歯ブラシの動かし方に慣れてくると、歯に当たる回数が減り不快感は少なくなりました。

次に歯ぐきの状態についてです。

音波振動のキャビテーション効果により歯ぐきが引き締まってきた気がします。

キャビテーション効果とは下の図のようにブラシが音波で振動すると高速水流が発生し、より汚れや細菌が落ちやすくなるというものです。これは電動歯ブラシの中でも音波歯ブラシのみで得られる効果です。

*回転するタイプの電動歯ブラシではこの効果は得られません

「歯科医も認めたテクノロジー」↓だそうですが、歯科医の1人として僭越ながら私も認めさせていただきます^^ 。

 

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使用後の感想まとめ。

買った当初より、使い方に慣れたので不快感が減り、音波歯振動の効果により歯ぐきもスッキリしてきましたので

使い慣れれば効果があると思います。

今の所、細かい所に関してはやはり手磨きの方がキレイに磨けるので分があると思います。

それと歯間ブラシが必要な方はやはり歯間ブラシも併用していただく必要があると思います。

上の図のようにたしかに歯間まで水流は届きますが、歯間のプラークを落とすまでは至らなそうです。

以上、15年ぶりに進化を期待して購入してみた音波電動歯ブラシの感想でしたが、自分としては手用歯ブラシの方が色んな意味でいいと感じました。

歯医者さんで手用歯ブラシでの磨き方を教わってみてください。電動じゃなくても効率よくスッキリ磨けるようになります!

以上「電動歯ブラシのその後」でした。

皆様のお口の健康に参考になれば幸いです。

宝塚市の歯医者 笹山歯科医院

 

もしもの時に・・

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上の写真の機器、何だかお分かりでしょうか?

 

答えは酸素吸入器です。

歯医者さんでは緊張や不安から、治療中に貧血を起こしたりする患者さんがいらっしゃいます。

そういう時に、酸素をマスクで吸入すると早く回復します。

当院では痛くない、不安のない治療を心がけていますので使用する機会は滅多にありませんが、何事にも備えておきたいので、このような機器を設置しています。(AEDも設置しています。)

先日、診療後にスタッフと一緒に使用方法や緊急時の対応について、おさらいしました。

 

 

 

 

 

 

学校検診

5月は検診シーズンです。

先日、小学校の歯科検診に行ってきました。

学校への行き帰りは、いい天気でとっても気持ち良かったです。

歯科医は診療室に籠っての仕事がほとんど。仕事で外に出る事がほぼないので普段と違って新鮮です^^

検診しての感想ですが、最近の傾向として子供の虫歯はかなり減ってきています。とってもいいことです。

ただ、歯並びに問題がある子が増えています。

歯並び不正は見た目の問題だけと思われがちです。

実は、歯が完璧にキレイに並んでいる人はほとんどおらず、多くの人はどこかしら歯並びが少し曲がっていたり、出っ張ったり、引っ込んだりしています。とくに本人が気にしなければ、少しの歯並び不正は個性の範囲に入りますので矯正治療の必要がない場合が多いです。

しかし、一部の歯ならび不正は咬み合わせやは放置すると今は無症状でも顎の骨の成長、姿勢、呼吸方法にも影響する場合があります。

学校から歯科検診結果が届きましたら、歯科医院で矯正治療が必要かどうかチェックをお受けになる事をおススメします。

*次の学校検診は6月9日(木)で休診とさせていだきます。振替診療として前日8日(水)に診療をおこないます。

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新しい診療機器を導入しました。i clave mini という診療機器です。

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パン焼き器のような形をしています。(大きさはパン焼き器と同じくらいです)

これは皆さんの大嫌いな歯を削る治療器具↓(ハンドピースといいます)↓を滅菌する機器なんです。

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今までもハンドピースの滅菌はしていましたが、今回 i clave miniを導入したことでヨーロッパの滅菌基準「クラスS」に準拠したグレードに滅菌レベルが上がりました!

滅菌機器を使用するには水が必要なのですが、クラスSになると水道水は使えませんので精製水という不純物を含まない水を購入して使用します。このボトルを毎週2本使います。

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i clave mini で滅菌する前にまず「ケア3」↓という機器を用いて自動でハンドピースの内部まで徹底的に洗浄します。

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ハンドピースに先につけるバー(歯に直接触れるドリルの先端部)というものも超音波洗浄してから滅菌を行っております。

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ここまでやると時間とコストがかなりかかります。滅菌というものは特に義務付けられているわけではなく、各歯科医院がそれぞれの基準を持っておこなっているものです。

「清潔」というのは医療機関においてもっとも大切な事のひとつですので、これからも見える部分、見えない部分共に清潔な環境を提供できるようにしていきます!