歯の根の治療。何度治療しても良くならない場合の選択肢

1本の歯の根の治療に3か月以上かかることは、ほぼありません。

なかなか痛みが取れない、治療中の歯に物が当たると痛い。

すごく痛いまでいかないけど、何か他の歯と違う痛みがずっとある。

長期間このような状態が続く場合は、いつまでも同じ治療を繰り返すことは効果がありません。

何度も何度も消毒と称して、薬交換をするだけといった代わり映えのしない治療です。

稀に、仮のお薬を詰めて、数か月様子をみることもありますが、とてもレアなケースです。

では、そういった痛みは続く場合は、どうしたらいいのでしょう?

 

その説明に入る前に、日本の歯科医療の歯の根の治療についてお話しします。

歯の根の治療はとても大切な治療なのですが、日本の保険診療の歯の根の治療は、非常に費用が低く評価されています。

先進国でも、これほど低い費用で歯の根の治療を受けられる国はありません。

安くて質も高ければ最高にコスパが良いのですが、現実はなかなか厳しいです。

語弊があるかもしれませんが、時間をかければかけるほど、全く採算の合わない赤字治療です。

ですので、最近では歯の根の治療を丁寧におこなうために、自費治療でおこなう歯医者さんも増えてきています。

自費治療では、歯の根の治療に使う材料や器具、治療にかけられる時間などが大幅に変わります。

かといって、自費の根管治療ならすべてが良い結果になるとはいえません。

根本的な診断力や技術力は、自費にしたからといって上がるわけはなく、普段からきちんと診断と治療を積み重ねてきた歯科医のみが持つものです。

マイクロスコープやニッケルチタンファイル、MTAセメントといった器具や材料を使えば、上手くいくものではありません。

保険では質の高い治療は難しく、自費だからといって必ず上手くいくわけでもない。

結局どうすれば?

と思ってしまうかもしれません。

日本では歯の根の治療専門で開業する歯科医院が徐々に増えつつあります。

根管(こんかん)治療専門の医院です。

基本的に歯の根の治療以外は、一切行わない歯科医院です。

治療はすべて自費診療になりますが、根の治療を自費だけ専門でおこなう場合、結果が全てですから、治療費に伴う結果はある程度保証されていると思います。

それくらいの技術がないと、根管治療だけで医院経営を成り立たせるのは難しいからです。

まだまだ根管治療専門医院の数は少ないのですが、これからの時代は、一般開業医では難しい親知らずの抜歯を病院の口腔外科に紹介するように、歯の根の治療もケースによっては根管治療専門医院に紹介する時代になってゆくと思われます。

当院でも根の治療は難しい、なかなか良くならない場合は、患者さんとご相談の上、専門医に紹介するようにし始めています。

なかなか治らない歯の根の治療を延々と続けるのは、患者さんの貴重な時間を奪うことになるからです。

治療中の医院で、なかなか治らない時は、すぐに根管治療専門医院に行くのも選択肢としてはありますが、まずは一般開業医でセカンドオピニオンを受けるのがいいかと思います。

なぜかというと、治らない理由がシンプルな場合があり、専門医院に行くまでもなくも、他の一般開業医で解決出来てしまう場合があるからです。

一般開業医でセカンドオピニオンを受けて、その歯医者さんの診断でも、根の治療で治すのは難しいと診断された場合に、根管治療専門医院で診断を受けてみるのもいいと思います。

いつまでも終わらない治療、歯の根の手術とは?

以上「歯の根の治療。何度治療しても良くならない場合の選択肢」でした。

皆さまのお口の健康の参考になれば幸いです。

宝塚市の歯医者 笹山歯科医院