舌(ベロ)や頬っぺたを噛んでしまうのは何故?

宝塚市の歯医者、笹山歯科医院 院長の笹山です。

暑い日が続きますね。

日中に外に出ると溶けてしまいそうです((+_+))

本日は、患者さんから時々聞かれる質問についてお答えします。

「最近、舌や頬っぺたの内側を噛んでしまうんだけど・・。」

原因はいくつか考えられます。

①咬み合わせが変わった。

②太った。

③唾液が減った。

④口の周りの筋肉が衰えた。

順に解説していきますね。

①の「咬み合わせが変わった」は、新しい差し歯や入れ歯が入ったり、奥歯の詰め物や被せ物が取れたままにしていると、起こることがあります。

②の「太った」は、体重が増えると頬っぺたの内側にも脂肪がつきますので、噛みやすくなります。

③の「唾液が減った」は、鼻疾患による口呼吸や、常用薬(降圧剤やアレルギ―薬など)の副作用で唾液が減り、口の中が乾くと、すべりが悪くなり、頬っぺたの内側や舌を噛みやすくなります。

④の「口の周りの筋肉が衰えた」は、年齢とともにシワやたるみが出来るように、口の周りに筋肉も衰えて、動きが悪くなり、頬っぺたの内側を噛みやすくなります。

以上のように色々と原因が考えられますが、しょっちゅう噛んでしまうのを放置すると、傷が癌化する可能性もゼロではありませんので、歯医者さんで原因を診てもらうことをお勧めします。

ちなみに④の衰えについては、あいうべ体操が有効です↓

 

 

 

 

 

歯周病の再生療法

 

歯周病で失った歯ぐきや骨を治す再生療法というものがあります。

「再生療法」については、時々テレビなどのメディアでも特集されます。

0367011201_s

歯を支える骨を歯槽骨(しそうこつ)といいますが、歯槽骨を再生する治療方法は20年以上前からありました。

私も歯科医に成り立ての頃、研修先の歯科医院の院長先生が再生療法セミナーの講師をされていたので、先生のご厚意でコースに参加させていただきました。

それから20年、再生に使用する材料などに多少の変化はありましたが、コンセプトは大きくは変わっていないと思います。

再生療法で骨は本当に再生できるのか?

結論をいいますと・・

確かに失われた歯槽骨は再生できます。

ただし、適応症は狭く、限りがあり、再生療法で再生した骨は、元からある骨と比べて弱いという性質があります。

ということで歯周病の原因を除去してあげないと、再生した骨はまた溶けてしまいます。

私が卒後5年目くらいに半年間受けた歯周病セミナーの講師の先生は歯周基本治療が一番大切であるとおっしゃっていました。

歯周基本治療とは、患者さんのセルフケアの改善と歯科医院での歯石取りやクリーニングの徹底です。(歯周病に対する外科処置は含みません。)

歯科医師になって20年が過ぎた今では、その意味がよく理解できます。

歯周病は生活習慣病ですので、生活習慣を改善しなければ根本的な解決になりません。

言い換えればダイエットと同じです。

お金をかけて脂肪吸引をして痩せても、元と同じ食生活ではそのうちリバウンドしてしまいます。

ウエストを測っている男性のイラスト(ビフォー)

再生療法も同じで骨を取り戻せても、その後のセルフケアやメンテナンスが悪いと歯周病は悪化し、再生した骨は溶けてしまいます。

当院では現在、歯周再生療法は行っていません。

歯周基本治療で、ほとんどの方が改善されていきます。

基本治療と聞くと再生療法と比べて、効果の少ない治療と思われる方もいらっしゃるかも知れませんが、きちんと行えば部分的には骨も回復しますので、同等の効果が得られます。

セルフケアの改善と平行しながら患者さんと2人3脚で行いますので、患者さんのセルフケア力もアップしてリバウンドしにくい長期的な安定が見られます。

歯周病でお悩みの方、お気軽にお問い合わせください。

詰め物が何回も外れる…。なぜ?

宝塚市の歯医者、笹山歯科医院 院長の笹山です。

先日初めて当院にお越しになった患者さんのケースです。

同じ歯の詰め物が、5回以上取れてしまった。

つけ直しても、新しく作っても、とにかく外れる。

何故でしょう?

考えられる理由は、いくつかあります。

1つめは「取れやすい形に歯が削られている?」です。

「えっ、じゃ治療した歯医者さんが悪いの?」と思われるかもしれませんが、これは単純に歯医者さんのミスとは限りません。

虫歯以外の健全な歯をなるべく削らないで、詰め物を作ろうとすると、そういう削り方になることは、よくあります。虫歯以外の健全な歯を、いくらでも削れるのなら、外れにくい詰め物は可能です。

基本的に詰め物より、被せ物の方が取れにくいです。(下図参照)

つまり何度も取れる詰め物は、被せた方が良い場合があります。

詰め物

被せ物

 

2つめは「接着剤が合っていない?」です。

取れやすい詰め物には、それなりの接着剤が必要です。

また、歯や詰め物の表面処理を行って、接着力をupさせる処置も効果があります。当院は保険・自費に限らず、最適な接着剤を選択して装着しています。

3つめは「歯ぎしりの問題?」です。

この問題は、詰め物が外れてしまう理由のベスト1と言ってもいいくらいの問題です。

詰め物が入った歯が、歯ぎしりによって擦られると、詰め物をつけている接着剤の層が破壊されて、溶け出していきます。

そのうち詰め物は、取れてしまいます。

歯ぎしりで詰め物が取れやすい場合は、歯ぎしりのコントロールも必要です。

自己暗示療法やマウスピースなどです。

 

興味のある方は当ブログのカテゴリーで「歯ぎしり・マウスピース」をご覧ください。

以上、「詰め物が何回も外れる?何で?」について 宝塚市の歯医者、笹山歯科医院 院長の笹山でした。

セカンドオピニオン 本当に抜歯が必要?

院長の笹山です。

当院ではセカンドオピニオンを求めていらっしゃる患者さんが割といらっしゃいます。

セカンドオピニオンとは、かかりつけ医師の診断に疑問がある場合や、他に治療方法がないのかなど、別の医師の診断してもらうことです。

*他院でおこなわれたインプラントや矯正治療のセカンドオピニオンはお受けしておりません。

特に相談が多いセカンドオピニオンは

「本当に歯を抜かなければならないのか?」

というご相談です。

歯を抜くというのは患者さんにとって大変重い治療です。

グラグラで今に抜け落ちそうな歯なら、患者さんご自身も納得できるかもしれませんが、そうではなく、痛みも症状もたいしてないけれど、抜歯が必要と診断された場合は悩んでしまうこともあると思います。

当院ではセカンドオピニオンでご来院された患者さんには、当日は検査と診断のみをおこない、原則その日に治療はおこないません。

当院の診断、当院ならどのような治療をおこなえるかを検査のうえ、出来るだけ分かりやすくご説明します。

歯の破折など診断が難しい場合は、院内CTでの撮影診断も可能です。

当院のCT↓

セカンドオピニオン診断をお聞きになったあとは、かかりつけ歯科医院で治療を継続されるか、当院で治療をご希望されるかは様々ですが、患者さんのご意向を100%尊重いたします。(当然秘密も厳守いたします。)

一度削った歯は元には戻りません。

「長くかかっているから・・」等の理由で、大切な歯の治療を不安があるまま継続されるのはお勧めしません。

セカンドオピニオン、お気軽にご活用していただければと思います。

以上「セカンドオピニオン 本当に抜歯が必要?」でした。

宝塚市の歯医者 笹山歯科医院

 

 

ウイルス感染予防

院長の笹山です。

口腔とウイルス感染の予防についてです。

口は、食べ物や病気を引き起こす病原体などの異物が入って来る、体の入り口です。鼻や口の粘膜には、粘膜免疫と呼ばれる病原体に対する防御機能が備わっています。

粘膜免疫は、口から入った病原体が粘膜に付着すると、全身免疫に情報を送るのと同時に、付着した粘膜近くのリンパ組織を介して、病原体の侵入を阻止する物質(分泌型IgA)を唾液中に分泌し、素早く病原体に対応します。インフルエンザウイルスは喉や気管の粘膜で増殖するため、この粘膜免疫は感染防御に有効です。

唾液は細菌やウイルスを防御し、さらに口腔内の汚れも洗い流してくれます。その他にも、唾液に含まれるムチンには粘膜保護作用が、上皮成長因子には傷ついた粘膜組織を修復する作用があります。

口の中は、常に300種類以上の細菌や真菌が生息しており、私たちの体は腸内細菌と同じように、口の中の細菌とも上手に共存しています。

口の中に細菌が適切に存在することで、多くの病原体の感染を防ぐのです。

しかし、口の中が不衛生になり、細菌が増えてしまうと、一部の細菌が産み出す物質(プロテアーゼなど)が、粘膜の防御機能を破壊してしまうことがわかっています。また、飲み込む機能が弱っているご高齢の方では、唾液に混ざった細菌が肺に入り、肺炎を引き起こすことも知られています。

虫歯や歯周病を予防するだけではなく、インフルエンザや肺炎といった全身的な感染症を予防するためにも、口腔ケアは欠かせないことなのです。

歯科医院での歯のクリーニングはウイルス感染の予防に有効です。

しばらくお口の検診を受けられていない方は、歯の検診とクリーニングをお受けすることをお勧めします。