ウイルス感染予防

院長の笹山です。

口腔とウイルス感染の予防についてです。

口は、食べ物や病気を引き起こす病原体などの異物が入って来る、体の入り口です。鼻や口の粘膜には、粘膜免疫と呼ばれる病原体に対する防御機能が備わっています。

粘膜免疫は、口から入った病原体が粘膜に付着すると、全身免疫に情報を送るのと同時に、付着した粘膜近くのリンパ組織を介して、病原体の侵入を阻止する物質(分泌型IgA)を唾液中に分泌し、素早く病原体に対応します。インフルエンザウイルスは喉や気管の粘膜で増殖するため、この粘膜免疫は感染防御に有効です。

唾液は細菌やウイルスを防御し、さらに口腔内の汚れも洗い流してくれます。その他にも、唾液に含まれるムチンには粘膜保護作用が、上皮成長因子には傷ついた粘膜組織を修復する作用があります。

口の中は、常に300種類以上の細菌や真菌が生息しており、私たちの体は腸内細菌と同じように、口の中の細菌とも上手に共存しています。

口の中に細菌が適切に存在することで、多くの病原体の感染を防ぐのです。

しかし、口の中が不衛生になり、細菌が増えてしまうと、一部の細菌が産み出す物質(プロテアーゼなど)が、粘膜の防御機能を破壊してしまうことがわかっています。また、飲み込む機能が弱っているご高齢の方では、唾液に混ざった細菌が肺に入り、肺炎を引き起こすことも知られています。

虫歯や歯周病を予防するだけではなく、インフルエンザや肺炎といった全身的な感染症を予防するためにも、口腔ケアは欠かせないことなのです。

歯科医院での歯のクリーニングはウイルス感染の予防に有効です。

しばらくお口の検診を受けられていない方は、歯の検診とクリーニングをお受けすることをお勧めします。

最薄部厚さ0.3ミリ 違和感の少ない精密入れ歯


宝塚市で入れ歯治療に力を入れている歯医者、笹山歯科医院 院長の笹山です。

当院には入れ歯でお悩みの方も相談でいらっしゃいます。

今回はこんなケースです。

「入れ歯の違和感が強くて1日中入れていられない。」

「外出中は我慢できるが、家に帰ったらすぐ外す。」

「食事の時に入れ歯が動いて咬みにくい。特に右側が噛みづらい。」

その方のお困りの入れ歯がこちら↓

すでに若干の修正は加えてありますが、問題点はたくさんあります。

①まず金属のバーが分厚く、走行位置が悪い。

②噛みあう相手側の歯に問題があり、この義歯だけ治しても、噛めるようにはならない。

③上あごに近い部分のピンクのプラステッィクの部分が分厚い。ここが厚いと違和感が大きく、会話にも支障が出ます。

④義歯の動きに対する防止策が取られていない。

それらをすべて解決した入れ歯がこちら↓

金属の部分の薄さは最薄部で0.3mm

元の入れ歯の4分の1です。

咬み合わせも全体に修正して、入れ歯でも良く噛めるように仕上げました。

極限まで減らせるところは減らしました。これ以上薄く、または小さくすると他の問題が出てきます。

完成後の患者さんの感想は

「今までの義歯と全然違う。違和感がかなり減って、食事もしやすくなった」と言っていただけました。

インプラント全盛の時代ですが、様々な条件により、入れ歯を選択する場合もあります。

入れ歯だからとあきらめないでください。

精密入れ歯相談お受けしています。

古い詰め物や被せ物、やり直しは必要?

院長の笹山です。

先日、患者さんから頂いたご質問です。

「以前通っていた歯科医院で古い詰め物や被せ物は、全部やり直したほうがいいですよと言われたのですが、そうなんですか?」というご質問です。

古い詰め物や被せ物は全てやり直した方がいいのか?

そのままにしておくと、詰め物の中が知らない間に虫歯になったりしないだろうか?

気になると事だと思います。

私の答えは・・

NOです。

たしかに古い詰め物や被せ物は、中が虫歯になったりすることはあります。

しかし、そうなりやすい歯かどうかは視診やレントゲン写真である程度分かります。

古いからといって全てにそのような問題が起こるとは言えませんし、全てを短期間でやり直すと全体の咬み合わせのバランスが狂う場合もあり、おススメしません。

やり直した方がいい歯は、その兆候がみられます。

金属と歯の境目に段差や隙間がある場合などです。

以下の2枚の画像が段差や隙間があり、やり直すべき古い詰め物です。

当院はなるべく削らない治療を心がけていますので、古いというだけで治療することはありません。

 

急に虫歯がたくさん その理由は? 歯医者を変えたら虫歯が10個も?

 歯医者さんで急に虫歯がたくさん見つかる理由

① しばらく歯医者さんの定期検診に行っていなかった。

虫歯は進行しないと自覚症状が少ないので、気づかないうちにあちこちに出来ていることがあります。

② 歯ぎしりや食いしばりのクセがある、人から言われたことがある。

歯ぎしりや食いしばりの癖があると、歯の最表層のエナメル質が剥がれたり、ヒビが入ってしまい、そこから虫歯菌が侵入してしまいます。

③ 歯石取りなど歯医者で歯周病のケアを受けていなかった。

歯周病で歯ぐきが痩せると、歯の根が露出します。

歯の根はセメント質と象牙質で出来ており、セメント質が剥がれてしまうと象牙質が露出します。

象牙質はエナメル質の4分の1程度しか硬さがないので、虫歯になるとあっという間に進行してしまいます。

④ 甘いドリンクをだらだらと飲んでいた。

炭酸飲料やスポーツドリンク、乳酸飲料を飲む回数が1日に何度もあると歯は溶けやすくなり、虫歯が出来やすくなります。

夏になると、つい炭酸飲料やスポーツドリンクで水分を補給しがちですが、飲む回数を減らさないとリスクは高まります。

⑤ シュガーレスでない、のど飴やガムを常用している。

喉の痛みなどで、のど飴を頻繁に舐めていると、糖分を歯に供給し続けていることになります。

数日なら問題ありませんが、数週間続くと虫歯リスクが高まります。

⑥ 最近、歯磨きをサボっていた、手抜きしていた・・。

まずはサボらないようにしましょう^^

疲れや忙しさで磨けない時は、食後すぐにお茶等でゆすぐだけでも歯垢が残りにくくなります。

⑦ 歯医者さんの虫歯チェックが厳しい?甘い?

「歯医者を変えたら虫歯がたくさん見つかった・・。」

時々お聞きする声です。

前の歯医者さんがちゃんと見ていなかったのか、それとも経過観察でいいと判断したのか?

新たな歯医者さんが、削らなくていい虫歯まで治療が必要だと言ったのか?

確かに削らなくていい虫歯もあります。

この場合、どっちの先生が正解かは、患者さんには分かりません。

ただ 「今までの歯医者さんで虫歯はないと言われたのに、新しい歯医者では10個もあると言われた。」

これほど差がある場合は、もう1軒歯医者さんに行って見て、事情を説明して診てもらう(セカンドオピニオン)方がいいと思います。

たとえ10個虫歯が見つかっても、先生から治療に納得できる説明があれば問題ありませんが、「おかしいな」と感じたのなら、そのまま治療を受けるのはあまりおススメしません。

ちなみに当院では経過観察できる虫歯はなるべく削りません。定期的に管理していけば進まない虫歯はあります。

上記のように歯医者を変えたら虫歯をたくさん指摘されてお困りの場合も、お気軽にセカンドオピニオンのご相談していただければと思います。

以上、急に虫歯がたくさん見つかる理由でした。

 

外れる、落ちる入れ歯

宝塚市で入れ歯治療に力を入れている歯医者、笹山歯科医院 院長の笹山です。

当院に新規でお越しになる患者さんで良くあるのが、総入れ歯の問題です。

「会話していると、段々緩くなって外れる・・」

「食事すると、外れそうになる・・」

「何もしていなくても、入れ歯が落ちそうになる・・」

「毎日入れ歯安定剤と使わないと安定しない・・」

これらのほとんどは、正しく入れ歯を作ることで改善されます。

そのスタートは、入れ歯を作るための精密な型採りから始まります。

 

① まずは、その患者さん専用に作った歯型採りのトレー。歯科用語で個人トレーといいます↓

 

下の画像が既製サイズのトレーです (顎の大きさに合わせてS.M.Lのように各サイズがあります)

大体合っているトレーでは、精密入れ歯の歯型採りには適しません。↓

 

② 個人トレーでフィットチェッカーによる試し採りをおこない、更にトレーの適合を高めます。

③ 最終の型採りが終わった状態

総入れ歯の型取り方法は、これに限らず色々とありますが、とにかく精密に型を採ることが大事です。

当院は精密入れ歯治療に取り組んで40年経ちます。

「外れる」、「落ちる」、「入れ歯安定剤が欠かせない」などでお困りの方は、ご相談頂ければと思います。