歯を磨いているのに虫歯が出来る理由 

院長の笹山です。

「歯医者さんに検診に行くたびに虫歯が見つかる。」

「ちゃんと歯を磨いているのに虫歯が出来てしまう。」

基本的にある程度歯が磨けているのに、時々虫歯が出来てしまう原因として考えられる理由をお話しします。

それでは、主な理由を順に見ていきましょう。

① 歯間ケアをしていない。

フロス、糸ようじ、歯間ブラシのいずれかを1日1回はおこなわないと虫歯は出来やすくなります。

これは本当に大事で1日1回歯間ケアするだけで、歯と歯の間の虫歯は激減します。

虫歯の多くは、歯と歯の間から発生します。

歯と歯の間に食べ物が詰まった時だけ、爪楊枝のように歯間ブラシやフロスを使用するだけでは、虫歯予防の効果はほぼありません。

歯間ブラシとフロスは両方やった方がいいんですか?

歯と歯の間の虫歯は気づくまで時間がかかる

② 歯磨き粉を使用していない。

何らかの理由で歯磨き粉を使っていない方は意外といらっしゃいます。

「味が気持ち悪い。」とか「泡立つのが苦手。」のような理由が多いです。

しかしフッ素入りの歯磨き粉を使わずに、虫歯を予防するのは難しいです。

フッ素入り歯磨き粉の効果的な使い方

③歯磨きした後に何度もうがいしている。

フッ素入りの歯磨き粉を、歯の表面に残すことで、虫歯予防の効果が高まります。水でゆすぐのは0回、もしくは少量の水で1回にとどめましょう。

こちらを参考にどうぞ↓

すぐ効果の出る虫歯予防法

④過去に治療した歯が多い。

一度でも削られて治した歯は、表面のエナメル質の一部が失われます。すると虫歯が、再発しやすくなります。

⑤治療した歯の適合が良くない。

歯にピッタリとあっておらず、小さな隙間のあるような詰め物や被せ物は、隙間から虫歯が再発しやすいです。

不適合な銀歯の中身はどうなっていたか?

⑥歯医者で定期的に検診とクリーニングを受けていない。

自分で100%磨き残しが無いようにするのはほぼ不可能です。ご自身で取り切れない歯垢を3か月ごとにクリーニングを受けると、虫歯が出来にくくなります。

⑦食事の回数が多い。

飲食の回数が多いと虫歯になりやすくなります。朝昼晩の食事以外の間食は1日1度にしましょう。

甘い炭酸飲料、砂糖入りのコーヒー、シュガーレスではない”のど飴”などが虫歯の原因になりやすいです。

喉が痛い時は、飴ではなく、喉スプレーをお勧めします。のど飴は、唾液で飴を溶かして、溶かしたものを飲み込むときに喉に効かせるという間接的な方法です。溶かして口の中に広がった飴の糖分は、虫歯リスクを高めます。どうしても”のど飴”が良ければ、シュガーレスの”のど飴”にしましょう。

喉スプレーの方がダイレクトに喉の痛い所を噴射出来ますし、虫歯のリスクは低くなります。

⑧口呼吸している。

慢性の鼻炎などで鼻詰まりがあると、口で呼吸してしまいます。口呼吸すると、口の中に乾いた空気が入るので、虫歯予防の効果がある唾液が乾燥してしまい、歯の再石灰化や菌の殺菌効果が落ちてしまいます。

鼻炎でない人でも、コロナによるマスク生活が長くなって、マスクの下で口呼吸が癖になっている人が多いです。

今はマスクをしているので、マスクによって口の中の湿気が保たれていますが、マスク無しの生活が始まった時に、口呼吸の癖を治しておく必要があります。

⑨歯ぎしりを指摘されたことがある。噛みしめをしている自覚がある。

歯ぎしりや噛みしめ癖は、歯にマイクロクラックという細かいひび割れをおこさせます。そこから虫歯菌が歯の内部に侵入してしまうことがあります。

歯ぎしり、噛みしめを防ぐために、歯医者さんでマウスピースを作ったり、自己暗示療法を学びましょう。

マウスピースの重要性 

 

最後に私がどんなセルフケアをしているのか書いた過去の記事はありますので、よろしければ参考にしてみてください↓

歯医者はどんな歯ブラシや歯磨き粉を使っているのか?セルフケアの仕方は?

以上「歯を磨いているのに虫歯が出来る理由 」でした。

皆様のお口の健康維持に少しでも参考になれば幸いです。

宝塚市の歯医者 笹山歯科医院

歯にトラブルが多い人、少ない人*昭和世代

院長の笹山です。

虫歯が減っています。

毎年、小学校や保育園の検診に行きますが、ほとんど虫歯はありません。

その一方で昭和世代の方は、未だに治療が減りません。予防のために定期的にクリーニングを受けている方々でも例外ではありません。

理由は治療した部分が、また虫歯になったり、神経を抜いた歯が割れて抜歯になったり、差し歯や詰め物が取れてしまったりと様々ですが、基本的には過去に治療した歯の再治療が必要になっているということです。

今、虫歯の治療跡の無いお子さん達は、このまま虫歯無しで大人になれれば、虫歯に関しては心配なく、歯周病を予防すれば大丈夫だと思います。

しかし昭和世代の方々は、まだ予防が浸透する前の世代の方々です。昔は「痛くなったら歯医者に行く。」というのが普通で、子供の頃に定期検診やクリーニングを受けていた方は少ないと思います。また、歯磨き粉にも、今のような虫歯予防に効果的な高濃度フッ素は配合されていませんでした。

ですので、既に治療されている歯がたくさんある方が多いのです。

その方々へのアドバイスとしては、悪くなった歯をちゃんと治すということです。

「虫歯の再発」「詰め物や差し歯が取れる」「神経のない歯が割れる」

などは、治療によって再発リスクを減らすことが出来ます。

「歯にピッタリとフィットし隙間から虫歯になりにくい被せ物」

「抗菌性が高く、磨き残しが溜まりにくい被せ物」

いわゆるセラミックやジルコニアという材料です。

保険適応外治療となりますが、予防効果は高いです。

歯科医として経験の浅かった頃は「セラミックが虫歯になりにくいなんて本当だろうか。」「もし数年後に虫歯になったら患者さんからクレームが来るかもしれない。」などと思いながら、恐る恐る治療した記憶があります。学問ではセラミックの優位性を学んでいても、自分でした治療の数年後の予後を追った経験がないので、自信が持てなかったのです。

しかし、歯科医になって20数年が過ぎ、数多くのセラミックやジルコニアを患者さんに施術し、5年後、10年後の経過をみると、明らかに保険治療の銀歯より長持ちすることを今は確信しています。

この流れをご覧ください。

治療した歯が数年後にトラブルが起きる↓ 2次虫歯です。

 

何度も治療した歯が弱くなって割れてしまい抜歯になる↓

 

小さなブリッジや入れ歯を入れる↓

ブリッジの平均寿命は?】長持ちさせる4つの方法&再治療時のポイント | 北戸田COCO歯科インプラント専門サイト 

 

ブリッジや入れ歯を入れることで、周りの歯に過重負担をもたらし、周りの歯が更に悪くなり、抜けてしまい、更に大きな入れ歯を入れる↓

 

入れ歯では噛みにくいので、入れ歯以外の歯で噛むことが多くなり、その歯が過重負担で弱り、抜けてしまう。

そして最後には↓ 総入れ歯になる可能性もあります。

この負のスパイラルは、歯を少しずつ失っている昭和世代に本当に多いです。

歯は無くなれば、無くなるほど、残っている歯の負担が増して、弱っていきます。

怪我で例えると、小さな傷のうちに再発しないように治しておくことが大切です。あちこちに傷が出来て、どこからも出血していたら、収拾がつかなくなります。

入れ歯やブリッジは歯を痛めやすいので、インプラントが一番良いのですが、歯が抜けるたびにインプラントをしていては、手術や費用負担がかなり大きくなり、きりがありません。

以上をまとめますと

歯に治療跡の多い方、歯に頻繁にトラブルが起きて歯医者さんに行く方は、いわゆる定期検診やクリーニングという予防だけではなく、過去に治療した歯を再発しないように適切な材料で治すことも、ご自身の歯を出来るだけ残すために大切な予防といえます。

以上「歯にトラブルが多い人、少ない人 *昭和世代」でした。

宝塚市の歯医者 笹山歯科医院

こどもの歯みがき指導

院長の笹山です。

予防の基本は歯磨きです。

「磨いている。」と「磨けている。」は違います。

ちょっとしたポイントを押さえるだけで歯磨き上手になれますので、子供のうちに正しい歯磨き方法をマスターしておきましょう。

当院は積極的にお子さんの歯磨き指導をおこなっています。

楽しく学べますよ。

もちろん赤ちゃんの仕上げ磨きから、大人の歯磨きにも対応しています。

 

宝塚市の歯医者 笹山歯科医院

国民皆歯科検診って?義務化?人生100年時代

院長の笹山です。

最近発表された政府の「骨太の方針」に

国民皆歯科検診というものが盛り込まれたそうです。

テレビのニュースやワイドショーでも結構取り上げられており、注目度は高いようです。

皆さんの「何それ?」「で、どうすんの?」ってことで関心が集まったのかもしれません。

具体的には何なのかといいますと、国が国民に一年一度の歯科検診の受診を義務化するかもしれないとのことです。

国は現在、1歳半3歳児歯科検診、高校卒業までの歯科検診を義務化しています。

皆さんも成人されるまでに年1回は保育園や幼稚園、小中高では健康診断があって、歯科検診を受けた記憶があると思います。それが義務化された歯科検診に相当します。

強制力はありませんが、体調不良などで健康診断の日を休むと、再度検診を受けたり、後日、近所の校医のクリニックで検診を受ける場合もあります。

また地方自治体でも歯周病検診という検診事業があり、40~70歳までの節目に歯科検診を街の歯科医院で受けるようにお知らせが来ます。こちらは義務ではありません。↓ 宝塚市歯周病検診の概要 ↓

https://www.city.takarazuka.hyogo.jp/kenkofukushi/kenshin/1000602.html

では、なぜ年1回の歯科検診を義務化しようとするのでしょうか?

大きな理由は3つあると思います。

①痛い時、何かトラブルがあった時だけ歯医者さんに行く人は、そうでない人に比べて歯を失うリスクが非常に高い。

②虫歯や歯周病を放置すると歯を失うだけでなく、全身の病気に繋がることが科学的に立証されている。糖尿病・リウマチ・動脈硬化etc.

③歯の治療のために入れ歯や被せ物を頻繁に作ると患者さんの治療費負担が多くなるだけでなく、国の医療費負担額(保険診療の場合)も増えてしまうので財政を圧迫する。

 

日本は先進国であるにも関わらず、歯に対する意識はまだまだ低いようです。

親知らずを除くと歯は全部で28本あります。

それが80歳前半で15本ということは、ほぼ半分ですね。歯の本数が半分しかないと入れ歯かインプラントを入れないと上手く噛めません。入れ歯は不自由が多いです。インプラントは保険が効きません。

今後寿命は更に延びると言われており、人生100年時代になるといわれています。80歳から100歳までの20年をどう過ごすのかも考えなければならない時代がすぐ近くまで来ています。

歯科検診の義務化の是非はともかく、年2回は検診と歯石取りなど歯のクリーニングを受けて、一生ご自身の歯で噛めるようにしましょう!

当院では1歳半・3歳児歯科検診や宝塚市の歯周病検診にも対応しておりますので予防のためにご活用いただければ幸いです。

宝塚市の歯医者 笹山歯科医院

 

 

 

大人の虫歯が出来る原因は●●が多かった。

院長の笹山です。

今回は大人に出来やすい虫歯の原因の話です。

特に50歳以上の方によく出来る虫歯で

根面カリエス”

といわれている虫歯があります。

根面カリエスは普通の虫歯と何が違うのか?

どうして50歳以上の方に多発するのか?

そして原因が特定できた物で一番多かった食べ物とは?

その辺りをお話しします。

まず根面カリエスという呼び名ですが、カリエスとは歯科用語で虫歯のことですので、

歯の根っこに出来る虫歯を根面カリエスといいます。

「歯の根っこって歯茎の中だから見えない場所じゃないの?」

と思いませんか?

ただ40~50歳以降になると歯周病やその他の原因で歯茎が下がる(痩せる)ので、歯茎に隠れていた歯の根っこが露出してしまう場合があるんです。

歯茎が下がって歯の根が露出した状態↓ 歯が長くなったように見えますね。

歯ぐきが下がって露出した歯の根っこは、歯の表面のエナメル質と違って、象牙質といわれ、歯の構造や硬さが違います。

実は象牙質は、エナメル質の

4分の1

しか硬さがないんです。

エナメル質 (硬い) 無機質 96% : 有機質 4% 象牙質 (軟らかい) 無機質 70% : 有機質 30%

エナメル質 象牙質

このように象牙質はエナメル質に比べてかなり柔らかいので、ひとたび虫歯になってしまうとかなり進行が早いです。

ただでさえ虫歯になりやすく、弱い象牙質にもっとも良くないのが、

お口の中に長時間存在する甘い物です。

今まで、根面カリエスが多発した50代以上の患者さんに共通した食べ物があります。

それは…

飴(アメ)!!

です。

「口寂しくて、つい口にしてしまう。」

「喉の調子が悪いと、のど飴を何個もなめちゃうんだよな。」

そしてその方々に共通するのが、シュガーレスでない飴なんです。

確かにシュガーレスじゃない飴の方が美味しいのは事実なんですが…。

しかし、このシュガーレスじゃない飴が露出した歯の根っこの象牙質が関わると、本当にすぐに虫歯が出来やすい状態になります。

飴を全く食べてはいけないわけではなくて、

①ダラダラと1日に何回も食べない。

②シュガーレスを選ぶ。

これだけで根面カリエスはかなり防げます。

50代以上の大人の虫歯、注意しましょう!

皆様の歯の健康に少しでもお役に立てば幸いです。

宝塚市の歯医者 笹山歯科医院