歯医者の引退

現役の歯科医師は、何歳で歯科医師引退と考えている?

この調査は、2023年4月28日〜5月28日の1ヶ月で行われ、142人の先生方から回答が寄せられた。回答者の内訳は、開業医が110名、勤務医(大学・病院勤務含む)が31名、その他が1名となっていた。

 

調査の結果、「可能な限り続ける」を除くと、もっとも多かった回答が『70歳(25.4%)』、次いで「65歳(19.7%)」、「75歳(14.8%)」と、米国とほぼ同様の結果が得られた。

しかしその一方で、10.6%の歯科医師が60歳以下で引退を考えていることも明らかになった。

↑ここまでWHITE CROSS様から引用

↓ここから私の記事です。

今回のアンケートで驚いたのが、可能な限り続けると答えた歯科医が22.5%もいたことです。

どういう形で診療に関わるかにも寄りますが、65歳を超えたら、さすがに精度の高い治療は難しいと思います。

勤務医や後継者を雇用して、自分は監督する立場で、複雑な治療をおこわなわないというのであれば、まだ理解は出来ます。

昔ある人から聞いた話ですが、ご高齢の先生が麻酔の注射を打つ手が震えるので、助手が先生の手を抑えながら、注射を打っていたという話です。

その話を聞いた時は笑ってしまいましたが、患者さんからしたら怖いですよね。

医科の場合は、診断が主な診療科目もありますので、お年を召されても、続けることは可能だと思います。

しかし、歯科医は診断をして、治療をしなければなりません。

センチではなく、ミクロンの単位で治療をしていますので、老化による衰えは治療の精度に大きな影響があると考えています。

今はマイクロスコープ(手術用顕微鏡)を導入している歯科医院も増えてきましたので、目の衰えはある程度カバーできると思いますが、それでも長時間マイクロスコープを覗きながら治療するのは、なかなかハードだと思います。

また、65歳で引退したいと答えた歯科医が19・7%いたことは興味深かったです。

65歳で引退したいと答えられた先生は、当然現在65歳以下だと思いますが、これは願望のようなものもあると思います。

歯科治療は非常に神経を使いますし、開業医であれば経営者としての仕事も同時進行でおこなわなれければなりません。

これはなかなかのストレスで、多くの先生方が日々感じておられると思います。

昨今ではFIREといわれる早期リタイアが話題になっています。


AI による概要
FIRE(ファイア)とは?投資で早期リタイア達成を目指す20代30代 ...

FIREは「Financial Independence, Retire Early」の略で、経済的自立と早期退職を意味します。これは、資産運用で生活費を確保し、早期に仕事を辞めるライフスタイルを目指す考え方です。


ですので、早めに資産形成を終えて、第二の人生を穏やかに過ごしたいという先生もいらっしゃるでしょう。

私も歯科医師になって26年経ちましたので、引退については時々考えます。

私は治療が好きで、治療の技術を高めることに精力を注いできたので、そんなに長くは歯科医師を続けられないと思っています。

なぜなら、繊細な治療技術やそれを維持する集中力は歳と共に衰えていくからです。

ですので、前述のアンケート結果のように「可能な限り歯科医を続けたい」とは、全く思いません。

歯科医師人生の後半は治療メニューを減らします。

複雑なインプラント治療や、子どもの矯正は辞めるつもりです。

インプラント手術にも簡単なケースと難しいケースがあるのですが、難しいインプラント手術は、心技体が揃っていないと良い結果が出ません。

子どもの矯正は、治療期間が長いので、経過をフォローできなくなります。

インプラントも入れて終わりではなく、その後のメンテナンスがインプラントが長持ちするかに大きな影響を及ぼしますので、引退寸前の歯医者さんがインプラント治療をおこなうのは、少々無責任かと思います。

長年通ってくださった患者様に腕の落ちた治療技術を提供するのは忍びないので、レベルの落ちた治療については率直にお伝えして、他の治療の選択肢を提示するか、得意な医院を紹介することになりそうです。

以上「歯医者の引退」でした。

宝塚市の歯医者 笹山歯科医院