歯を傷つけないクリーニング

歯のクリーニングに使用される超音波スケーラー。

硬い歯石も難なく取れて、毎日の診療に欠かせない器具です。

しかし、その強さゆえにデメリットもあります。

歯や被せ物に細かい傷がつくことがあるのです。

もちろん、傷ついた後は研磨といって、歯をペーストをつけた電動ブラシで磨き上げることで、傷はなくなります。

コードレスモーター↓ 歯の表面を研磨する器具

n-iprophy

 

しかし、そもそも傷をつけずにクリーニングすることも出来ます。

それが

ソニックブラシ

です。↓

ソニックブラシはエアーの力で先端のブラシを振動させながら、歯をクリーニング出来る器具です。

最大の特徴は、

全く痛くない

ことです。

この先端の小さなブラシが振動して、水を出しながら、歯を綺麗にします。

 

小さな傷つきやすいセラミックや金属も問題なしです。矯正中のブラケットも外れにくく、隅々までクリーニングできます。

*下記画像は、(株)ナカニシHPより引用

  • 補綴修復物の清掃
  • 矯正ブラケット周囲の清掃

歯石など硬い物はとれませんが、歯垢はとてもきれいに落ちます。

凍みることもなく、痛みもなく、患者さんもストレスフリーです。

当院ではハンドスケーラー、超音波スケーラー、コードレスモーター、エアスケーラー、ソニックブラシを使い分けて、患者さんが快適にクリーニングを受けられるよう心がけています。

歯医者さんでのクリーニングを受けたいけれど、

「痛い、辛い、怖い、凍みる」

など、心配な方はご相談ください。

なるべく痛みの少ない、苦しくない施術をおこなっています。

以上「歯を傷つけないクリーニング」でした。

宝塚市の歯医者 笹山歯科医院

歯ぐきが下がる原因

歯ぐきが下がる原因

①歯ブラシ圧が強すぎる。

歯ブラシの横磨きが強すぎると、歯ぐきが削られて下がることがあります。

特に歯ぐきが元々薄い感じの方は要注意です。

②歯ぎしりをしている。

歯ぎしりが強いと歯ぐきが下がることがあります。

③不適合な詰め物や被せ物

歯と歯ぐきの境目付近に不適合な詰め物や被せ物があると、磨き残しがのこりやすくなり、歯周病により、歯ぐきが下がることがあります。

④歯周病

歯周病が悪化すると、歯ぐきの下の骨が痩せて、その上の歯ぐきも下がります。

⑤老化

老化によっても一定量の歯ぐきは下がります。

しかし、老化だけで極端に下がることはありません。

歳を取って、歯ぐきがかなり下がった場合は、歯周病による可能性が高いです。

以上「歯ぐきが下がる、痩せる原因」でした。

⑤の老化以の①~④は予防出来ます。

老化だけで歯が抜けることはありませんので、予防を大切にしましょう。

宝塚市 笹山歯科医院

 

 

噛むと痛い時  疑われる病気

食事で噛むと痛い。

食事で噛むと痛い。

食事じゃないけれど、上下の歯を合わせるだけでも痛い。

そんな時に疑われるのが以下の6つです。

①歯周病

歯がグラグラの酷い歯周病ではなく、初期の歯周病でも噛むと痛い時があります。

また、歯周病が急性発作を起こすと、歯が浮いたようになり、少し歯が当たるだけでも、強い痛みを感じることがあります。

②歯根膜炎(しこんまくえん)

歯根膜は、歯と顎の骨に介在しているセンサーのような膜です。

噛んだ物が、硬さや軟らかさを感じる感触を司どっています。

食いしばりや噛みしめで、歯根膜が炎症を起こして痛むことがあります。

虫歯でも歯周病でもない歯の痛みの原因

③虫歯

虫歯が酷くなると、噛むだけで神経を刺激して痛くなります。

④歯根破折(しこんはせつ)

歯の根が割れてしまった歯で噛むと痛むことがあります。

歯根破折

⑤食片圧入(しょくへんあつにゅう)

歯と歯の間に食べ物が挟まったままになると、歯ぐきが炎症を起こして、噛むと痛くなることがあります。

「食事をすると歯が痛い。」連続写真で見る虫歯治療 

 

⑥歯冠破折(しかんはせつ)

歯ぐきより上に見えている歯の一部が欠けたり、割れてしまうと、エナメル質の下の象牙質が露出して、噛むと痛くなることがあります。

神経を抜いた前歯は被せないといけないの?

以上の6つが疑われるのですが、噛むと痛くても、しばらくすると治ることもありますが、病気がある場合は再発することも多いので、噛むと痛いが続いたり、繰り返す場合は、早めに歯医者さんに受診することをおススメします。

以上「噛むと痛い時  疑われる病気」でした。

皆様のお口の健康に参考になれば幸いです。

宝塚市の歯医者 笹山歯科医院

歯周病の本当の原因

歯医者さんで

「だいぶ歯石が付いていますね、取らないと、歯周病で歯が抜けます。」

と言われたことはないですか?

多くの方がご存じないのですが、

歯石は歯周病の原因ではありません。

「え?じゃ歯石を取らなくてもいいの?」」

と思われませんか?

そうでもないんです。

「じゃ、どっち?」

と思っちゃいますよね。

解説します。

歯石は歯垢に唾液や血液に含まれるカルシウムなどの石灰化成分が沈着し、

石のように硬くなったものです。

本当に石のような物ですので、

歯石そのものに、歯を悪くする要素はありません。

しかし歯石の表面はザラザラとしています。

イメージ的には、軽石やサンゴのような感じです。

ですので、ザラザラした歯石の表面には、更に歯垢が付きやすくなります。

つるつるより凸凹した面の方が、汚れは付きやすいですね。

しかも歯ブラシを当てても、ザラザラの面についた歯垢は落ちにくいんです。

そうすると、口の中の歯垢の量は、更に増えてしまいます。

歯周病の原因は、歯周病菌です。

歯垢には、生きた歯周病菌がいっぱいいます。

こちらをご覧ください↓

自分の歯周病菌を見たことがありますか? 位相差顕微鏡とは?

ですので、歯周病の予防や治療をするには、歯垢の足場になる、歯石を取った方がいいのは本当なんです。

それでも歯垢は、歯石だけでなく、歯のあらゆる面に付きます。

歯垢は歯ブラシや歯間ブラシ、フロスで落ちます。

つまり歯周病の予防や治療には、やっぱり

歯磨きなどのセルフケアが一番大事なんです。

日々のセルフケアを頑張っても、歯垢は溜まりますし、歯石は歯磨きでは落ちません。

セルフケアで落としきれない部分を、歯医者さんで定期的にフォローするのがベストです。

なので、

定期的なクリーニング

が有効です。

ということで、歯周病の原因は歯石ではなく、

歯周病菌だということが分かりました。

言い換えると、歯周病菌がお口に居ない人は

歯周病菌にならないんです。

しかし、

地球上で一番感染者が多い病気は

歯周病です。

あのギネスブックにも公式に掲載されているそうです。

35歳以上の90%の人は、歯周病を発症しているといわれます。

歯周病菌に感染していない人の方が、圧倒的に少ないんですね。

「歯ぐきも腫れていないし、歯もグラグラしていないから

自分は残りの10%かも。」

と思われるかもしれませんが、

歯周病には程度があります。

このような状態は重度の歯周病ですが、

軽度の歯周病では、日常生活においては

歯ぐきから血が出たり、歯がグラグラすることはありません。

自覚症状がなくても、歯医者さんでご自身が、歯周病かどうかをみてもらうほうがいいと思います。

歯周病かどうかの検査は、どこの歯医者さんでもできますので、歯周病かどうか気になる方は、検査を受けることをおススメます。

以上「歯周病の本当の原因」でした。

皆様のお口の健康に参考になれば幸いです。

宝塚市の歯医者 笹山歯科医院

歯周病になりやすい人

「歯周病になりやすい人」で検索すると、

色々な検索結果が出てきますが、一般的には以下のよう結果が多いと思います。

  • 歯磨きをあまりしない方
  • 喫煙習慣がある方
  • 糖尿病のある方
  • 歯ぎしりや噛みしめのある方
  • 不適合な被せ物がある方
  • 歯並びが悪い方
  • 定期検診に受けていない方

あまり強調されていないのですが、実はかなり大きな割合を占める原因があります。

それは、

遺伝です。

なぜ遺伝なのかの前に、簡単に歯周病をおさらいします。

歯周病は、歯周病菌による感染症です。

 

歯垢に含まれる歯周病菌は、空気が少なくジメジメした場所が好きなので、

歯と歯ぐきの境目から歯ぐきの中に入っていきます。

 

そこで歯周病菌の深部への侵入による内部への感染拡大から逃れるための

免疫応答で破骨細胞という自分の体にある細胞が作用します。

この破骨細胞は、自分の歯槽骨を自ら破壊することで、歯周病菌から逃れようとします。

肉切らして骨を断つみたいなイメージです。

ただ、それで治ればいいのですが、歯周病はそれでは治まりません。

自ら骨を溶かすことで、歯の根の周りの歯槽骨は溶けてしまい、やがて歯は抜けてしまいます。

これは体の免疫反応ですが、この反応が過剰に働き過ぎることがあります。

歯周病の中にもいくつか種類があって、このような反応が過剰に出てしまう場合は

侵襲性歯周炎

といわれるタイプの歯周病といわれています。

一定レベルの歯磨きが出来て、定期検診を受けて、歯のクリーニングも受けているのに、歯周病が進行してしまうタイプです。

これは遺伝的要因が、かなり強いです。

ある女性の患者さんに

「うちの主人、全然歯を磨かないし、歯医者も痛いと時だけしかいかないんです!」

と言われたことがあります。

その後、実際にそのご主人が「詰め物が取れた。」と来院されたことがあります。

10年ぶりの歯医者だったようですが、お口の中を拝見すると、歯石もたっぷりついていますし、歯磨きもあまり出来ていないお口であるにもかかわらず、ほとんど歯周病がありませんでした。

では歯周病菌に感染していないのか?といわれれば、そうではありません。

様々な検査で軽度の歯周病であることは判明しています。

歯周病になっても、進行しにくい体質の方もいるのです。

これは良い遺伝ですね。

きっとご両親のどちらかも、そのような体質だと思われます。

 

今度は悪い方の遺伝の話になります。

当院でも親子で通われている患者さんが結構いらっしゃいます。

先代の頃から継続して通院されている親子の方で、親御さんが80代、お子さんが50代くらいの患者さんもいらっしゃいます。

その方々の中でも、親子で歯周病リスクの高い方がいらっしゃいます。

親御さんが重度の歯周病で、そのお子さんも既に歯周病が進行している場合などで、遺伝によるものが大きいと感じることが結構あります。

遺伝的要因が強い場合は、それを改善することは出来ないのですが、適切な処置により、進行スピードを遅らせることは可能です。

当院には過去にも「歯ぐきがしょっちゅう腫れて、2週間に1回は歯医者さんに行かなければならず、クリーニングや消毒をしてもらっている。それでも腫れや出血が治まらない。」「どうにかなりませんか?」という方がいらっしゃいました。

明らかに侵襲性歯周炎でしたが、きちんと処置を受けられて、10年近く経ち、途中1本歯を失ってしまいましたが、他の歯はなんとか持ちこたえています。

今回、歯周病になりやすい遺伝について書きましたが、別の機会で虫歯になりやすい人の遺伝的影響について書いてみようと思います。

歯周病菌についてはこちらも参考にどうぞ↓

自分の歯周病菌を見たことがありますか? 位相差顕微鏡とは?

皆様のお口の健康維持に少しでも参考になれば幸いです。

宝塚市の歯医者 笹山歯科医院