手術力の向上

院長の笹山です。

先週の休診日にインプラント外科の講習会に参加してきました。

インプラント手術の技術レベルを上げるためのセミナーです。

通常の簡単な手術実習ですと、疑似模型を使うのですが、本格的な実習をおこなう場合、歯科でよく使われるのは生の豚の下顎です。

こちらを使って、切ったり縫ったりの手術実習します。

もちろん実際の人間の下顎とは色々と異なりますが、人間も豚も同じ哺乳類ですので、歯や歯茎、骨など大きな部分は構造は一緒です。

豚で実習するのは久しぶりでした。

冬はいいのですが、生ですので、夏に行う時は冷房をしっかりかけないと、時間と共に生臭い匂いが部屋に充満してしまいます。ファブリーズなどの消臭剤を豚にかけながらおこなうこともあります。

勤務医の頃、院長先生が勉強会のために豚を精肉店に頼んで用意して下さったのを思い出しました。診療室で豚実習をおこなったので、次の日の診療日に匂わないように、全力で消臭作業したのを覚えています。

 実習後の豚。RidgePreservation  with hidden mattress suture をおこないました。

抜歯した後に、インプラントする可能性がある場合は、抜歯の時に出来るだけ抜歯する歯の周りの骨や歯茎が痩せないように施しておくことが大切です。

朝から夕方までビルの1室の籠っての講習で疲れましたが、今後の臨床に生かしていきたいと思います。

宝塚市の歯医者 笹山歯科医院

進化するフルジルコニアクラウン

院長の笹山です。

ジルコニアという被せ物を診療に取り入れて10年以上が過ぎました。

初期のジルコニアは色が不自然、硬いのはいいけれど調整しづらいなど、脆さを持つセラミックの代替え材料として期待が大きかった分、まだまだと感じる部分も多かったです。 初期のフルジルコニアクラウン↓

懐かしのチェルシーヨーグルトスカッチ味みたいな見た目でした。

しかしここ数年のジルコニアの材質のアップデートは目覚ましいものがあり、色の問題で前歯に使うのは無理だと思われていたのが、そうでは無くなってきました。

こちらはフルジルコニアを装着した患者さんです。画像の中に3本のフルジルコニアが装着されました。どれがそれか分かりますでしょうか?

こちらが治療前の写真です。

上の前歯1本と下の前歯2本を治療しました。

厳しく見れば、ジルコニアにセラミックを築盛するジルコニアセラミックといわれるクラウンと比べると、まだ少し色調再現性が足りない部分もあります。

しかしフルジルコニアクラウンが文字通り100%ジルコニアですので、ジルコニアセラミックのようにジルコニアとセラミックの2種類の材料をくっ付けていない分、セラミック部分が欠けてしまうというリスクはありません。

これは患者さんにとっても、私達医療側にとってもとても大きなメリットです。

歯科技工士さんが手間をかけて完全カスタムメイドで作り上げるジルコニアセラミッククラウン。まるで天然の歯と区別のつかないような工芸品レベル出来上がっても、数年後に欠けたり、剥がれたりしてしまったら、元も子もありません。

白い被せ物は「美しい」「変色しない」「壊れない」が大切です。

今後も新しい技術を取り入れながら、確実で長持ちする治療を心掛けたいと思います。

宝塚市の歯医者 笹山歯科医院

歯を強くするには?カルシウムは必要?

院長の笹山です。

時々患者さんから時いただくご質問です。

「先生、歯を強くするためにカルシウムを多く取った方がいいですか?」

結論から言いますと、

「生えた後の歯はカルシウムを摂っても強くなりません。」

妊婦さんがお腹の赤ちゃんのためにカルシウムを摂ったり、お子さんがこれから生える永久歯のためにカルシウムをとると、少しは効果がありますが、それも限定的です。

生えた後の歯に後から栄養を追加しても強くはならないんです。

妊婦さんもお子さんも不足しない程度にカルシウムを普通に摂取していれば大丈夫です。

それでは歯を強くする方法はないのかと言いますと、

「あります。」

お子さん限定になってしまうのですが、

生えたての歯がフッ素を十分に取り込むと

歯の表面のエナメル質の結晶構造が硬く強くなります。

生えたての歯は、エナメル質が未成熟で弱いのでとても虫歯になりやすいです。

歯医者さんで定期的にクリーニングをして、高濃度フッ素を塗布すると、未成熟なエナメル質は通常よりも早く、強く、硬くなります。

成人以上の方にはフッ素でエナメル質を強くする効果はありませんが、フッ素は歯磨き粉だけでなく、食べ物やお茶や水道水にも含まれていますので、段々と自然に強くなっていき、歯が生えて数年たつとエナメル質は自然に成熟します。

しかし、いずれの場合も元々エナメル質の持っているポテンシャル以上には強くなりません。

今は学校が春休み中ですので当院にも定期検診に訪れるお子さんが多いです。

みんなにしっかりクリーニングしてフッ素を塗布しています。

そして、歯を丈夫に保つためには、とにかく虫歯にならないことです。

歯は一度でも虫歯になってしまい、歯の表面のエナメル質という人間の体で最も硬い構造物を削ってしまうと、詰めたり、被せたりして人工物で治しても、どうしても虫歯が再発しやすくなります。

以上、歯とカルシウムの関係についてでした。

宝塚市の歯医者 笹山歯科医院

 

 

 

 

 

歯医者がワンオペしてみたら

院長の笹山です。

結構前の話です。

以前から一度はやってみようと思っていたことを実践してみました。

歯医者のワンオペです。

病院にいるのは自分1人で、スタッフゼロでの診療です。

たまたまスタッフが事前に休みを申請していて、人手が手薄な日があったので、他のスタッフの出勤も調整して、その日をワンオペする日に決めました。

1人っきりでは、いつも通りにはいきませんので、普段より大幅に予約患者さんの数を絞って診療しました。

朝出勤したら、診療所のシャッターや駐車場のポールを外して、洗濯機を回して、暖房を入れたり、照明をつけたり、診療機器やパソコンの電源を入れます。前日の診療後に滅菌した器具を滅菌器から取り出して、所定の位置に戻します。

この辺りは日頃から自分も結構やるので慣れています。

診療が始まり、来院された患者さんの診察券や保険証をお預かりし、カルテを院長デスクに移動し、患者さんを診療椅子にご案内し、治療をおこない、治療が終わったら、お会計をし、次回のアポイントをおこないます。そして次の患者さんがいらっしゃる前に、使用した器具を片付け、診療椅子を消毒し、次の治療に必要な器具を準備します。

文章にすると数行で表現されるのですが、全て自分でやるのはなかなか大変です。

患者さんから「お1人ですか?先生も大変ですね~」と言われたり、

長年通ってくださってるご高齢の患者さんに「先生、お一人ですか?おさみしゅうございますね。」とお気遣いのお声をいただきました。

午前中の治療が終わっても、カルテの片づけ、器具の洗浄や滅菌、診療椅子や待合室の清掃、洗濯後に乾燥機にかけていた洗濯物を畳んだりと休む暇はありません。

昼休みも電話対応をおこなうので、診療室で待機です。昼寝も出来ません。

午後は診療開始前に来られる歯科技工所の営業の方に歯型を渡したりして、その後に午後診療の準備を進めます。

午前同様、治療以外の全ても一人で行い、午後の治療が終わったら、医院全体の清掃、器具の滅菌、受付の締め作業など盛りだくさんです。

最後はシャッターを閉めます。

そんな感じで、ほぼ休憩することもなく、1日を終えました。

初めてのワンオペなので、予約を絞って入れてはいたのですが、当日に予約外の急なお痛みの患者さんや、今日定期健診を受けたいという患者さんもいらして、お二方とも対応したので、割と忙しかったです。

ワンオペにチャレンジしたのは以下のような理由からです。

①当院は小規模医院で元々スタッフ数も少ないので、色んなアクシデントが重なるとワンオペになる可能性もあるかもしれません。そうなった時に慌てて患者さんにご迷惑をおかけしないように、事前にワンオペの実際を体験してみたかった。

②普段スタッフに任せていることを全て自分でやることで、何か得られるものがないか確かめたかった。

そして実際にワンオペをした感想は…

①やはり治療中に電話が鳴るのが気になりました。治療中に電話が鳴ると、治療の手を止めて電話に出るので、治療の再開まで時間を結構ロスしますし、治療中の患者さんにもご迷惑をおかけします。

②ほとんど治療は一人でも出来なくはないのですが、内容によっては、ワンオペでは難しいものをあると感じました。やはりアシスタントがいた方が断然楽です。

③今回は急患対応も出来ましたが、予約状況によっては、急患対応が難しくなります。当院は「痛い。」「取れた。」「腫れた。」でお困りの患者さんは原則当日拝見すると決めていますので、それが出来なくなるかもしれません。

そんな感じでワンオペを体験して気づいたことが沢山あるので、これからの診療に生かしていきたいと思います。

ただ以前から、もしワンオペになったらどうしようという思い(不安?)が頭の片隅にちらついていたので、今回実際にワンオペを体験したことで、無理ではないことも分かったので、そういう小さな不安は減ったと思います。

ただ、スタッフに手伝ってもらうことは、やはり大切なことだということも良く分かりました。

美容室ではワンオペは割と多いようなのですが、歯医者のワンオペはなかなか難しいです。

今回は自らワンオペに挑戦しましたが、やむを得ずワンオペにならないように気を付けたいと思います^^

忙しく仕事をしている白衣の男性のイラスト